マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズが最後に優勝を果たした1997-98シーズンを追ったドキュメンタリー10部作『ザ・ラストダンス』の放映以降、ジョーダンとデトロイト・ピストンズのレジェンド司令塔であるアイザイア・トーマスの関係性が話題となっている。 番組内でジョーダンがトーマスについて「嫌なヤツ」とコメントしたことに対し、驚きを隠せなかったと告白したトーマスは、『CBS Sports』の取材で当時のジョーダンについて語っている。トーマスは、ジョーダンを“選手”として尊敬しており、特に恨みはないと前置きをした上で、改めてジョーダンを評価した。 「80年代のジョーダンとブルズは驚異的ではなかった。ブルズがリーグを支配していたのは90年代で、80年代の彼らは(ロサンゼルス)レイカーズ、(ボストン)セルティックス、そして僕らピストンズには勝てなかったからね。彼が僕らよりも称賛されるのは、僕らのなかで3連覇を果たしたのは彼だけだから。だけど、彼はマジック(ジョンソン)、ラリー(バード)、ドクターJ(ジュリアス・アービング)を相手に3連覇は達成していない」 さらにトーマスは、彼が対戦したなかでジョーダンが4番目に優秀な選手だったと同取材にて語っている。トーマスが、過去対戦したなかで選んだベスト5選手と、その順位は以下の通りである。 1.カリーム・アブドゥル・ジャバー(ロサンゼルス・レイカーズほか) 2.ラリー・バード(ボストン・セルティックス) 3.マジック・ジョンソン(ロサンゼルス・レイカーズ) 4.マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズほか) 5.ジュリアス・アービング(フィラデルフィア・76ersほか) この順位がトーマスの本心であったかは定かではない。ただ、1999年にトーマスは『Sports Illustrated』のインタビューで「僕が対戦し、見てきたなかで間違いなく彼(ジョーダン)が最高の選手」と語っていただけに、「嫌なヤツ」というジョーダンの言葉は、トーマスの心に多少なりとも刺さったと思われる。