ドレイモンド・グリーン、衝突したカーHCから受け取った“和解の手紙”「生涯忘れない」

ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンは、ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンを中心としたスモールラインナップのキーマンとして君臨してきた。その一方で、今季ブルックリン・ネッツに移籍したケビン・デュラントと口論を起こすなど、熱い性格がネックとなって不協和音を生むケースも少なくない。スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)とも頻繁に衝突してきたが、2016年に歩み寄るきっかけとなった出来事をグリーンが明かしている。 2012年のドラフト2巡目35位でウォリアーズ入りしたグリーンは、最初の2シーズンは控えだったが、カーHCが就任した2014-15シーズンにレギュラーへ定着。エネルギー溢れるディフェンスと攻撃の潤滑油的な役割で、チームを支えてきた。 これまでカーHCが「ドレイモンドには呆れた」と発したシーンがテレビで抜かれるなど、2人は幾度となく衝突。元同僚のマット・バーンズとスティーブン・ジャクソンがホストを務めるポッドキャスト番組『ALL THE SMOKE』に出演し、決して良好な関係ではなかったとグリーンも認めている。 「俺とスティーブは当初からよく衝突していた。俺たちが多くの点で似ているということに気づくまでに少し時間がかかった。2人とも燃えるような情熱の持ち主なんだ。俺たちはチームのためにやるべきことはなんでもするが、すぐに別離する可能性もあった」 そんな緊迫した状況のなかで、2016年1月にカーHCは“ある行動”に出たという。 「あと一言でも何か言われたらキレるところだった。俺は彼に何かを言ってほしくてたまらなかった。ただ、彼は言葉を発さずに便箋4枚にわたる手紙を書いたんだ。手紙の内容については言えない。冒頭に『ドレイモンド、君に手紙で気持ちを伝えたい。私たちは今ぶつかってばかりだ。足踏み状態で、君もフラストレーションを溜め込んでいるだろう』と書かれていたところで手紙を閉じて、捨ててしまったからね」  手紙を渡されてから数日は開けなかったと明かすグリーンだが、カーHCの思いはしっかりと心に響いたようだ。 「彼は時間を費やして俺を理解しようとしてくれていた。それ以上は必要なかったよ。フィラデルフィア(1月30日の76ers戦に向けた遠征)でのことは生涯忘れない。冒頭しか読まずに捨てたから、残りの内容は分からない。でも、彼は俺がキレそうになっていることも知っていた。Fワードを言ったり、逆鱗に触れる行動はせず、手紙を書いた。手紙なら俺も言い返せないからね」  実際には、その約1カ月後の2016年2月27日(日本時間28日)に行われた敵地オクラホマシティ・サンダー戦、ハーフタイムに2人は激しい口論となり、ほかの選手たちが間に入ってようやく収まったと言われるほどの衝突を起こしており、手紙がすべてを解決したわけではなかった。それでも、数々の試練を乗り越え、2015-16シーズンに歴代最高の73勝を挙げる快進撃につながったのは間違いないだろう。

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