「やれるという感覚が凄く強かった」 メンフィス・グリズリーズと契約を結んでいる河村勇輝は、日本時間10月2日から行われていたチームのトレーニングキャンプを経て、夢であるNBA入りへの挑戦に手応えを感じていた。
ポイントガードとしてチームメイトやコーチと密にコミュニケーションを取りたいという意識から、キャンプには通訳なしで参加。英語環境の中で他の選手たちと会話したり、積極的に戦術の確認をするなどチームに馴染んでいる様子も伺えた。そんな河村を「彼は僕のお気に入り」と称したと言われるジャ・モラントも、「良い選手だ、素晴らしいよ。フルコートで動き、とても速い。正しいプレイをするし、負けん気も強いね。才能があるし、これまで見てきたものは気に入っている」とその実力を認めている。 また、テイラー・ジェンキンスHC(ヘッドコーチ)もキャンプ初日に「今日の勇輝は最高だった。試合のペース、プレッシャーのかけ方、オフボールでの動き。特に守備はフルコート、ハーフコートとも素晴らしかった。ディフェンスの流れを生み出してくれたよ」と、サイズ不足が懸念されたディフェンスを高評価。メディアデーでは身長224cmのルーキー、ザック・イディーとの52cm差もある2ショット写真が大きな話題を呼んだが、キャンプの期間でしっかりと自身が話題先行型ではないと証明してみせた。
コート内外で注目された河村だが、シーズン開幕でのNBAロスター入りは現実的には厳しい。チームから正式な発表はないものの、河村の契約はエグジビット10契約だと見られており、グリズリーズ傘下のGリーグチームであるメンフィス・ハッスル行きがほぼ既定路線となっている。 ただ、グリズリーズは控えポイントガードの1人だったデリック・ローズが引退して本契約選手が13人となったため、NBAのルール的に最低でももう1人と本契約を結ぶ必要がある。サマーリーグで目覚ましい活躍を披露したスコッティ・ピッペンJr.を2ウェイ契約から昇格させる、またはフリーエージェントの誰かと契約を結ぶという2つの選択肢が有力視されるが、もしピッペンJr.の本契約に動いた場合は雪崩的に2ウェイ契約の枠が空くため、そこに河村が入る可能性もゼロではないのだ。 グリズリーズは日本時間10月8日のダラス・マーベリックス戦を皮切りにプレシーズンで5試合を戦うが、河村にとってはキャンプに続くアピールの場となる。出場機会が巡ってくるかも分からず、本人も「現実的に見れば、Gリーグで今年1年間プレイすることが、NBA目指す上での今ある選択肢なんじゃないかなと思う」と至って冷静だが、観ている側は「もし想像以上の結果が出せれば…」と期待が膨らんでしまう。果たして大方の予想を覆すことはできるのか。夢を叶えに羽ばいた23歳の挑戦に注目だ。
解説:大西玲央 実況:永田実
解説:大西玲央 実況:波多江良一
解説:塚本清彦 実況:波多江良一
解説:佐々木クリス 実況:三橋泰介 上記試合の視聴にはNBA Rakutenの会員登録が必要ですが(楽天IDでログインするのみ)、視聴プランのご購入や楽天モバイルのご契約は不要です。※試合の配信は予告なく中止となる可能性があります。