NBA生き残りを懸け、1日1日勝負の毎日を送っているメンフィス・グリズリーズの河村勇輝。日本時間10月11日に行われたシャーロット・ホーネッツとのプレシーズン2戦目は、9分5秒の出場で無得点、1アシストと2戦連続のアピールとはならなかった。
デビュー戦で5得点、3アシストと短い出場時間ながらインパクトある活躍を見せ期待値が高まる中、本拠地フェデックス・フォーラムでの一戦は第4Q残り9分5秒の場面からの出場となった。この日は身長52cm差の写真で話題となったドラフト全体9位指名の新人、ザック・イディーとともにコートインするとホームのファンから大きな歓声が上がった。 ファーストプレイではトップの位置からイディーのスクリーンを使い生まれたズレを逃さず、プルアップの3ポイントを狙うも失敗。その後も鋭いカッティングから放ったレイアップをブロックされるなど、なかなかペースを掴めない。残り3分5秒にペネトレーションからジェイレン・ウェルズのレイアップをお膳立てするも、最終的に自身が放った4本のシュートは2本のエアボールを含め全て失敗。「入らなかったのは実力。反省点はいっぱいある」とNBAの厳しさを肌で感じた本拠地デビュー戦となった。
では河村がNBAで生き残るために、さらなる成長が期待される部分はどこになるのだろうか。河村はNBA挑戦が決まった際の会見で「グリズリーズから求められているのはプレイメイキング、パスのところ」と、いわゆる正統派ポイントガード(以下、PG)としての評価を受けたと話していた。しかし、2戦目終了後には「もっとアタックしないといけない。その辺の判断を成長させないとNBAではやっていけない」と振り返っている。 その言葉通り、イディーとのピック&ロールからアリウープパスを狙ったシーンではシュートの意識が薄く、相手ディフェンスは2枚ともイディーへのロブパスを警戒し、結果スティールをされた。パス優先型のPGと言えど、得点への意識が薄ければ相手が選択を迷うことなく守りやすくなってしまう。ましてや172cmという身長を考慮すると、「油断すればいつでも点を取られる」といった考えを相手に刷り込んでおくことは何よりも重要である。 またレイアップをブロックされたシーンでもフローターを狙う、またはゴール下のイディーにロブパスを上げるなど、他の選択肢もあったように思えた。上で挙げたプレイは結果論ではあるが、判断の速さと正確性は、今後さらに伸ばさなければいけないスキルであることに違いはないだろう。ただ河村にとってはまだNBA2戦目。こうした試合での経験を重ねていくごとにプレイの引き出し、判断力といった部分は向上していくはずだ。 ディフェンスでは、ボールハンドラーに対しフルコートでプレッシャーをかけオフェンスのエントリーを遅らせたり、アピールに必死な若手たちをなんとかまとめようと奮闘する姿は見えた。シュートが入らずとも今できることを自分なりに考えてプレイするのは、河村が今まで見せてきてくれた姿そのものだ。 次戦は日本時間13日に開催する敵地でのシカゴ・ブルズ戦。果たして3戦連続の出場はあるのか。Bリーグ入りする時、代表に選ばれた時など、ステージが上がって壁にぶつかるたびにそれを乗り越えてきた河村なだけに、NBAという強大な壁も乗り越えてほしい。
解説:大西玲央 実況:永田実
解説:大西玲央 実況:波多江良一
解説:塚本清彦 実況:波多江良一
解説:佐々木クリス 実況:三橋泰介 上記試合の視聴にはNBA Rakutenの会員登録が必要ですが(楽天IDでログインするのみ)、視聴プランのご購入や楽天モバイルのご契約は不要です。※試合の配信は予告なく中止となる可能性があります。