3月11日(日本時間12日)、NBAは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにシーズンを中断すると発表した。この時、アトランタで行なわれていたアトランタ・ホークス対ニューヨーク・ニックス戦は既に試合中だったため最後まで続行されたが、会場に集まったファンも選手も「この試合が今シーズンの最終戦になるかもしれない」と感じていた。 そこでアトランタのファンは、今シーズン限りでの現役引退をほのめかしているビンス・カーターの最後の勇姿を目に焼き付けようと、既にベンチに下がっていたカーターをコートに呼び戻すために「We want Vince!」の大合唱を始めたのだ。 ニックスが135-128とリードして迎えたオーバータイム残り19.5秒、交代出場したカーターは3ポイントシュートを決めて試合を締めくくり、ファンの期待に応えた。 試合後のインタビューで、カーターは「私のキャリアは、私1人の力で成し得たものではない。私の周りにいる人々に話を聞けば、私の想いについて知ることができるはずだ。『とても感謝している』ということがね。だが、引退して自分の時間を過ごすことにも、何の問題も感じていない。それもクールなことだと思っている。これまで素晴らしい試合をプレイすることができたからね。もし、この試合が最後だとしたら、私は最終戦でキャリア最後のシュートを決められたことになる。(突然のシーズン中断は)奇妙な気持ちがするけれど、クールな思い出でもあるよ」と語り、この試合がキャリア最終戦になることを示唆した。 また、カーターは自身のツイッターにも「今晩は奇妙な夜だったけれど、22年の旅路を共にしてくれたみんなに心から感謝している。この試合が最後になるかもしれないから、今までみんながくれた愛とサポートに感謝していることを伝えておくよ」というファンへのメッセージも投稿している。