プロ15年目を迎えたクリス・ポールは、今季加入したオクラホマシティ・サンダーを強豪ひしめくウエストのなかでプレイオフ争いに導く働きを見せている。その卓越したリーダーシップは、NBA12年目の同僚ダニーロ・ガリナーリの目から見ても特別だという。 2005年のドラフト1巡目4位指名でNBA入りしたポールは、ルーキーイヤーから先発ポイントガードに定着。ニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)、ロサンゼルス・クリッパーズ、ヒューストン・ロケッツ、サンダーと計4チームでプレイし、歴代7位の通算9,575アシストを記録するなど、リーグ史に残る名司令塔として地位を築いている。 今季のサンダーは、ラッセル・ウェストブルック(現ヒューストン・ロケッツ)とポール・ジョージ(現クリッパーズ)を放出したなかで現在ウェスタン・カンファレンス6位(37勝23敗)。プロ2年目のシャイ・ギルジャス・アレキサンダーをブレイクに導くなど、ポールのリーダーシップとファシリテーターぶりが際立つ。 ギルジャス・アレキサンダーと並んでチームトップタイの平均19.3得点を挙げるガリナーリも、ポールの影響力には舌を巻く。「ポールがMVPレースの議論にいるべきか」と問われたガリナーリの回答を、『The Oklahoman』のマディ・リー記者が紹介している。 「彼はMVPに値する選手。それに疑いの余地はないよ。僕はリーグで12年間、多くの選手とプレイしてきた。彼は一緒にプレイしたなかで最高のリーダーだと思う。MVPについて考える時、ユニットにおけるリーダーシップは考慮すべきだ。彼は自分が偉大な選手でありながら、周囲との対話を大事にするんだ。素晴らしいリーダーだよ」 これまでニューヨーク・ニックス、デンバー・ナゲッツ、クリッパーズに所属してきたガリナーリは数々のスターと共闘してきたが、なかでもリーダーシップはポールがNo.1だという。 クリッパーズではブレイク・グリフィン、ロケッツではジェームズ・ハーデンと強力コンビを形成したポールだが、リーグ優勝は果たせなかった。サンダーで悲願の頂点に立てるのか、そのゲームメイクとリーダーシップがチームの勝利の鍵を握るのは間違いない。