特別な存在だったコービー・ブライアント【比江島慎 / 宇都宮ブレックス コラムVol.3】

こんにちは! 宇都宮ブレックスの比江島慎です。 東京オリンピック開催の2020年となり、1月には本当にいろいろなことがありました。 BリーグとNBAのオールスターのことを書いていたのですが、NBAサマーリーグでチームメイトだったニューオーリンズ・ペリカンズのザイオン ・ウィリアムソンのNBAデビュー、そして1月27日(現地26日)にはコービー・ブライアントの事故がありました。他のトピックについても、すでにある程度は書いてありますが、今回のコラムではコービーについて書かせていただきます。

【初めてのNBA観戦】

第1回のコラムでも少し書きましたが、小学1年生でバスケットボールを始めた僕は、NBAに興味はあったものの、大学卒業まではNBAを観る機会がほとんどありませんでした。初めてNBAを現地観戦したのは、大学でのバスケットボール引退後の2013年3月でした。 2013年3月18日(同17日)、僕はステイプルズ・センターで、ロサンゼルス・クリッパーズ対ニューヨーク・ニックスと、ロサンゼルス・レイカーズ対サクラメント・キングスのダブルヘッダーを観戦しました。初めて生で観たNBAの試合はすごく刺激的で、「かっこよすぎる」というのが、1試合目に行われたクリッパーズ対ニックス後の素直な感想でした。 今回のコラムを書くにあたり、この2試合の出場選手を見返してみました。改めて名前を見るとスター選手ばかりで、すごい試合を観戦していたのだと実感しましたし、NBAを「かっこよすぎる」と感じた記憶は今でも鮮明です。ただ、僕の中にはとても残念な記憶も残っています。それは、コービーが怪我のため、この日プレーしなかったことです。これからプロとしてバスケットボールを仕事としていく決意をした22歳の僕には、NBAのスーパースターたちの中でも「コービー・ブライアント」の存在がそれだけ特別でしたし、今でもそれは変わりません。

【引退試合、スピーチ】

2000年から2010年までの11年間でコービーが在籍したレイカーズは5度のNBAチャンピオンになりましたが、僕はコービーがNBAチャンピオンとして輝いていた頃のプレーをほとんど観たことがありませんでした。コービーの一番印象的に残っているシーンを考えてみると、2016年の引退試合で60得点をしたことと、彼の「マンバ・メンタリティ」と呼ばれる精神的な強さやストイックさと、夫と父としての優しさが含まれたスピーチにとても感激したことが思い出されます。

【ワールドカップ】

昨年のワールドカップの組み合わせ抽選会を僕は食事をしながらライブ配信で観ていました。コービーが「JAPAN」のくじを引き、アメリカと同じ組みに入ったときには本当に興奮しましたし、「痺れる」とSNSにも投稿をしました。ワールドカップでは、日本は1次ラウンドで敗退して順位決定ラウンドを戦うことになったため、コービーと会うことは叶いませんでした。

【事故当日】

僕は1月25日(土)、26日(日)とブレアリ(ブレックスアリーナ宇都宮)で大阪エヴェッサと試合があり、翌27日に起床した際、コービーが亡くなったことを知りました。コービーや事故についての報道、いろいろな方のSNS投稿などを目にしても、なかなか現実として受け入れられませんでしたし、受け入れたくありませんでした。コービーの訃報を聞いてから、「コービー、コービー、コービー……」と何度も口ずさんでいる自分がいました。

ブレックスも試合前にコービーを追悼

【ブレックス】

僕は何足かあるバッシュの中からその日の状況に合わせて履くモデルを決めているのですが、25日と26日の大阪戦ではコービーモデルを着用していました。その翌日に、こんな悲劇が起きるとは全く想像もしていませんでした。 コービーが亡くなって以降、初めてのブレックス戦は、1/29(水)にブレアリで行われたアルバルク東京戦でした。コービーに敬意を示すとともにご冥福をお祈りするため、試合前にはブレアリで24秒間の黙祷を行いました。僕自身、この日の試合でもコービーモデルのバッシュを着用し、「マンバ・メンタリティ」を意識しプレーしました。

コービーモデルのシューズを着用して試合に臨んだ

【日本代表】

2020年、オリンピックイヤーの日本代表戦は、2月21日(金)と24日(月)に行われる「FIBA アジアカップ2021 予選」で始まります。アスリートとして自国開催のオリンピックを29歳というピークに近い年齢で迎えられることに運命を感じています。 バスケットボール男子日本代表の東京オリンピック出場は決定しましたが、僕自身が東京オリンピックのメンバーに決定した訳でもありませんし、これからも日本代表メンバーに選出され、チームに貢献できるように頑張っていきます! NBAファンの皆さんも、Bリーグファンの皆さんも、日本代表ファンの皆さんも、今まであまりバスケットボールを観戦されたことがない皆さんも、“日本一丸”となって戦っていきましょう!

文末になりますが、 コービーと東京オリンピックで会いたかった……。 まだまだ書きたいこと、伝えたいことがありますが……。 THANK YOU AND R.I.P., KOBE


              


比江島 慎(ひえじま まこと):宇都宮ブレックス所属のSG。決定力の高いシュートと独特なステップで得点を量産する。2019年夏にはNBAダラス・マーベリックスのミニキャンプ、ニューオーリンズ・ペリカンズのワークアウトに参加し、ペリカンズの一員としてサマーリーグに出場。日本代表の中心メンバーとして、中国で行なわれたFIBAバスケットボール・ワールドカップ2019にも出場。東京オリンピックでの活躍も期待されている。福岡県出身。青山学院大学卒業。1990年8月11日生まれ。190cm・88kg。

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