【田中力・独占インタビュー】目標は一番上じゃなきゃいけない(2/3「NBA情報局 DAILY9」にて配信)

15歳という史上最年少でバスケットボール男子の日本代表候補に選ばれた田中力。現在は、フロリダ州にあるスポーツ選手養成学校IMGアカデミーで、スキルを磨く日々を送っている。NBAプレイヤーになるという夢を叶えるべく、異国の地で奮闘する17歳の声をお届けする。 ――インタビュー前にテーブス海選手(宇都宮ブレックス)の話をしていましたが、2人は結構仲が良いんですか? 田中:仲良いですね。今でも結構連絡しますし、お兄ちゃんって感じ、いや弟か、年上ですけど(笑) ――テーブス選手が田中選手は「自分のことを舐めすぎ」だと前言っていました。 田中:いつもそう言うんですけどね。「やめる?」って聞くと、「いいよ」って言われるんで(笑) ――アメリカで頑張っている日本人選手についてどう思いますか? 田中:見ていて自分も頑張ろうとなりますね。仲間が一生懸命やって成績出していると、「それなら俺も」ってモチベーションになります。 ――渡米して1年以上、アメリカはどうですか? 田中:楽しいですよ、アメリカは。バスケのレベルもすごく高くて、強くないと言われるチームでも、フィジカルとか身体能力といった面はみんなヤバいので。でも楽しいです。レベルが高いので。 ――実際にアメリカでプレイしてみた感想は? 田中:IMGに来たときは1年目で優勝して、そのチームからマクドナルド・オールアメリカンに初めて3人も選ばれて。アメリカに来た1年目にそんなすごいチームメイトがいたんです。練習中とかバチバチやっていて、「アメリカってヤバいな」って思いました。それでもほかのチームと戦ってみると「俺のチームメイトがとんでもないだけかも」って(笑)。常にそんなチームメイトと練習していると、ほかの選手と戦うときは準備ができていて、とにかくIMGはいい感じです。来て良かったです。 ――1年経って自分もレベルアップしてるなって実感はありますか? 田中:ありますね。日本ではスコアラーとしてだけ使われていたんですけど、アメリカに来てからはガードに(ポジションを)変えなきゃいけなくて。細かいところは最初難しかったんですけど、今年はどんどん良くなっていて、勉強するのも楽しいです。 ――順応力が高いですね。 田中:家族の影響もあると思います。日本人ですけど、お母さんも、お兄ちゃんもアメリカ人っぽいので。お兄ちゃんとはずっと英語で喋っています。それにハーフの友達も多くて、アメリカのカルチャーはなんとく理解していたので、普通の日本人よりかは楽だったのかなというのはありますね。 ――食事とかは問題ないですか? 田中:そうですね。でも焼肉食べたいんですよね、すごく(笑) ――ポジションが変わったことで学ぶことが多いと言っていましたが、日々の練習で心がけていることは? 田中:リーダーシップが大事と思って、チームメイトとも、コーチともコミュニケーションを取っています。チームメイトのメンタルが今どういう状況だとか、気持ち良くプレイできているかとか。あとはバスケのこと。いつボールを捌いた方が良いのか、引くのか、自分で行くのか、バスケIQの面はコーチの言うことを信じて学んでいます。一番大事なのはやっぱりリーダーシップ。コミュニケーションを取って、リーダー的存在になりたいですね。 ――自然に、それとも意識的にリーダーになろうと思ったんですか? 田中:勝ちたいという気持ちが強くて。日本にいる時も仲間に「大丈夫」「頑張ろう」と言葉をかけられて自分は頑張ろうと思ったので、同じように自分もチームメイトを言葉で支えてあげて、出来るだけ楽しくみんなでバスケが出来るようにしたいなと思っています。 ――田中選手のプレイスタイルについて教えてください。 田中:前は得点取るだけだったんですけど、今はアシストと得点のバランスを考えています。自分でいけるところはいって、捌かなきゃいけないときはパスして。バスケ選手らしくしなきゃいけないって感じですかね。どんどんプロに近づいていっているので、頭の中もプロに近づかなきゃいけないし、練習中もプロを意識してしなければいけないし、勉強もプロならしっかりやると考えて取り組んでいます。全部自分の一番上の目標に向けて、メンタル的にもそこにいると考えてやっています。 ――その目標とは? 田中:NBAに行くことですね。やっぱり目標は一番上じゃなきゃいけない。人間、やりたいと思ったことはやれると思うので。一つの目標に集中するのが大事かなと思います。 ――日々の生活からNBAは意識していますか? 田中:食事から全部です。いつも練習の1時間前に体育館に行って自主練をするんですけど、昨日みたいに試合終わって夜遅くに帰ってくるような日でも、次の朝は早くに起きなきゃとか。人の倍以上頑張らなきゃいけないので、そう言うのを考えてやっています。 ――辛くはないですか? 田中:正直しんどいです。でもしんどくなかったら誰でもプロにいけるはずじゃないですか。しんどくて諦めたら、そこまでの選手だなと思ってしまうので。俺は“そこまでの選手”ではないので。しんどくでも出来るだけ楽しんで、自分でもモチベーション上げて頑張るしかないですね。 ――具体的にNBAが見えている中、八村塁選手、渡邊雄太選手が頑張っていますが、2人の存在はどう思います? 田中:本当に大きいです。これで日本の選手が「俺もアメリカに行きたい」となったらレベルが高くなるのかなって思います。とにかく挑戦することが大事なので。ドラフト2位のジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)がドラフトされる前、3カ月くらいIMGに来ていたんですけど、その時少し喋ったら、高校の時は全然有名じゃなく、大学からも声をかけられなくて、NBAも目指してはいたけど目の前にはないと感じていたらしいんです。ただそこから「自分が信じなかったら誰が信じるんだ」ってメンタルを変えたみたいで、それを本人から聞いた時「この人すごい」なって(笑)。やっぱりメンタルが大事だと思います。今自分はダメだという気持ちがあっても、自分のことを信じて頑張るしかない。塁さん、渡邊さん、馬場さんとかがモデルとなって、それを証明しているので本当にありがたいです。頑張って、もっとバスケを日本で有名にしてほしいです。 ――参考にしている、または好きな選手は? 田中:結構見ているのはやっぱりモラント。あとはルカ(ドンチッチ)とか。パスと得点どちらも上手いので、そういう選手を見て学んでいます。 ――東京オリンピックに対する思いを聞かせてください。 田中:日本代表にとってチャンスだと思います。バスケも盛り上がってきている中で、塁さん、渡邊さん、馬場さん、富樫さん、田中大貴さんといった選手を日本の人たちが見れることができるっていうのはすごいことだと思います。子どもから大学生まで日本のプレイヤーたちも、代表が他国チームと戦っている姿を見たら「自分たちも頑張ろう」という気持ちになると思うので、本当に良いチャンスだなと思います。 ――そこに田中力はいる? 田中:入りたいですね。一生懸命頑張ります。 ――代表に対して特別な思いはありますか? 田中:バスケ初めてすぐNBAに入りたい、代表に選ばれたいという気持ちはありました。先輩に奥山理々嘉さんがいるんですけど、どんどん活躍して代表にも呼ばれたりしてて、自分も入りたいなと思っていました。14歳の時にU14チームに呼ばれて、そこから自分のモチベーションも上がりましたね。 ――日本ではバスケが盛り上がっていますが、バスケを始めたばかりの子どもに伝えたいことはありますか? 田中:挑戦すること。メンタルを強く持って、自分のことを信じる。あと努力と感謝。この4つですかね。家族、コーチ、チームメイトに感謝しなければいけないですし、努力をしなければどこにも行けないので、努力はしっかりして欲しいですね。自分の考えでは練習しても良い結果が出なかったら、それは本当に努力をしていたとは言えないと思っているので。とにかく努力することですかね。 ――田中選手の好きな言葉を教えてください。 田中:好きな言葉……感謝か愛ですね(笑)。やっぱり俺は家族をすごく愛しているので。家族がいなければ自分はここまで来れていないと思うし、サポートしてくれたことに感謝もしています。なのでその2つがすぐ出てきました。 ――最後に日本にいるファンへメッセージをお願いします。 田中:皆さん、田中力です。自分はこっちで頑張るので、応援よろしくお願いします!


インタビューの模様は2月3日(月)の「NBA情報局 DAILY9」で配信。

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