ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチは2年目の今季、平均29.4得点、9.7リバウンド、8.9アシストと目覚ましい活躍を披露している。オールスターファン投票の第1回途中結果で最多得票を獲得するなど、名実ともにスターダムを駆け上がっているが、往年の名選手から見てもその才能は「特別」だという。 ドンチッチを“マーベリックス史上最高”と見立てるのは、現在ロサンゼルス・クリッパーズでコンサルタントを務めるジェリー・ウェスト氏だ。オールスター出場14回、得点王やアシスト王も獲得するなどスーパースターとして君臨し、NBAロゴのモデルにもなった御年81歳のウェスト氏は、『ダラス・モーニング・ニュース』のインタビューで20歳のドンチッチを「天才」と称賛した。 「誰もが彼のようにプレイする20歳が欲しいと願っている。そして、彼はまだ本当の姿を見せていない。天才を見るのは楽しい。私は(NBAで)長い間働き、たくさんの特別な選手を見てきた。これまでリーグにはどれだけのスーパースターがいたことか、たぶん5、6人だろう。オールスターとスーパースターには違いがある。スーパースターは違うんだ。そして、彼はそれだ」 “元祖・平均トリプルダブル”と言えばオスカー・ロバートソン(元ミルウォーキー・バックスほか)だが、ウェスト氏は「ドンチッチはロバートソンと似ているか?」という問いに、「ノーと言うだろう」と回答している。 「オスカーは17~19フィート(5.18~5.79m)のシュートは打たなかった。当時、17フィートはロングシュートだった」 当時はまだ3ポイントのルールが採用されておらず、シュートレンジの広さに違いがあるという。実際、ドンチッチは今季すでに95本の3ポイントを成功させるなど、アウトサイドのシュートも得点源の一つにしている。 20歳にしてスターダムを駆け上がる姿に、ウェスト氏はマジック・ジョンソンやコービー・ブライアント(ともに元レイカーズ)と照らし合わせながら言及。さらに、長年マーベリックスを支えたダーク・ノビツキーを超える存在になると展望している。 「彼は確実にトップ5になれる。彼はとても賢い。誰も止めることはできない。速くプレイすることもできれば、ゆっくりもプレイできる。彼のプレイを見るのは特別なことだ。ダラス史上最高の選手になる。ダーク・ノビツキーには大きな敬意を払っているが、ダークは彼(ドンチッチ)ではない」 往年の名選手ウェスト氏が大絶賛するドンチッチは、その予言通りNBAの歴史に名を刻むスーパースターになれるのか。人々の期待はいっそう膨らんでいきそうだ。