『The Athletic』のジョヴァン・バハ記者がツイッターで、「サンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)が、プラス・マイナスや個別のネット・レーティングといったデータは”まやかし”で、”分析学上のファンタジー”だとコメントした」とリポートした。 このポポビッチHCのコメントの真意について、『Clutch Points』のマイク・クルズ記者は以下のように考察している。 現代のバスケットは、数字による分析やスタッツによって個々の選手のコート上での影響力を判断する時代になっている。なかでも重要視されているのは『プラス・マイナス(+/-)』というスタッツだ。これは、ある選手がコート上にいる時間帯と、ベンチにいる時間帯とで、試合のスコアがどのように変化したかを数値にしたデータである。 ポポビッチHCは昔気質なコーチだが、現代のバスケットボールに適応する賢さも持ち合わせている。だが彼は、あまりにも数字に偏りすぎた現代のバスケットボールに疑問を感じているようだ。 プラス・マイナスは『その選手がコート上にいることで試合にどれだけインパクトを与えるか』ということを数値化しているが、おそらくポポビッチHCはその点を”まやかし”と表現したのであろう。 なぜなら、ある1人の選手が高いプラス・マイナスの数字を記録したとしても、その選手1人の存在だけが試合に大きな変化を与えたとは一概には言えないからだ。もしかすると、その時にコートに立っていた他のチームメイトの方が本当の意味でのインパクトを与えていたかもしれないし、時には0得点の選手が2桁のプラス・マイナスを記録することもあるし、50得点してもプラス・マイナスでマイナスを記録する選手もいる。 プラス・マイナスは決して悪いデータではないが、おそらく、個々の選手ではなく、コート上にいる5人の組み合わせでのプラス・マイナスにもっと注目すべきだろう。