現地12月3日に行われたヒューストン・ロケッツ対サンアントニオ・スパーズの一戦は、ダブル・オーバータイムの末に135-133でスパーズが勝利した。この試合の第4Q(クォーター)に、ロケッツのジェームズ・ハーデンが決めたダンクの得点がカウントされないという一幕があった。 ロケッツが102-89でリードしていた第4Q残り7分51秒に、ハーデンがスティールからの単独速攻でダンクを決めた。しかし、ハーデンがリングに叩き込んだボールは、一旦リングを通った後にゴールネットに巻き上げられる形でリングの内側からコート内に飛び出したため、審判が「ハーデンのダンクは失敗した」と誤認したのだ。 この時の状況について、ロケッツのマイク・ダントーニHC(ヘッドコーチ)は試合後に「審判が『ボールがジェームズに当たってリングの内側から出てきたので、ゴールテンディングをコールした』と言ったので、私は『そのコールに関する”チャレンジ”を要求する』と伝えた。だが、審判はビデオ・レビューをしようとしなかった。すると、他の審判が『あれはゴールテンディングではなく、単なるアウトオブバウンズだったようだ』と言い出した。そこで、私は『分かった、では、そのコールに関するチャレンジを要求する』と彼らに伝えた。すると彼らは『それはできない』と言ったんだ。彼らは、なぜ私がチャレンジを要求できないのか説明してくれなかったから、私には何が何だか分からなかったよ」とコメントした。 ジェームズ・ケイパーズ審判長は、試合後にこのプレイの映像を見直したうえで、ハーデンのダンクはカウントされるべきだったと語った。しかし、彼は「ダントーニHCのチャレンジについては、要求するタイミングが遅かったために受理できなかった」と説明した。 ケイパーズ審判長は「あのコールは、レビューして真偽を確認すべき事案だった。しかし、コーチはタイムアウトをとってから30秒以内に審判にチャレンジを要求しなければならない。ダントーニHCたちは、審判に対してコールに関する抗議をしている間に、その30秒間を過ぎてしまった。だから、審判はチャレンジを受理することができなかったのだ」とコメントしている。 ESPNのティム・マクマホン記者によると、ロケッツは、NBAが「あの試合はオーバータイムに入らずにロケッツが勝利した(試合時間残り7分50秒の段階でロケッツが大量リードしていたため)」という裁定を下すか、もしくは後日改めて試合時間残り7分50秒から試合をやり直すことを期待しているそうだ。 問題のコールがあったのは、ちょうどスパーズが22点差からロケッツを猛追している最中だったため、あのハーデンのダンクがカウントされていればスパーズの勢いを止められた可能性もある。ハーデンは、2度目のオーバータイムの残り時間0.8秒の場面で決勝シュートを決めるチャンスもあったが、そのプレイで逆にチャージング・ファールをコールされて勝利を逃す結果となっている。 この敗戦により、ロケッツは13勝7敗でウェスタン・カンファレンスの5位に順位を落とした。