2002年8月5日、ロサンゼルス・レイカーズの実況を3,338試合連続で務めたフランシス・デイル・“チック”・ハーンが亡くなった。死因は自宅での転倒、享年85歳だった。チックというニックネームは学生時代につけられたもので、チームメイトからいたずらでスニーカーの代わりに死んだ鶏の入った靴の箱を渡されたことに由来しているという。 ハーンの連続実況は1965年11月21日から2001年12月16日まで続いた。記録は心臓のバイパス手術によって途絶えた。最後の実況は2002年ファイナルの第4戦で、ハーンはラジオフィードを担当していた。2002年と言えばシャックとコービーのレイカーズがスリーピートを達成した年で、同年6月の優勝パレードでのMCがレイカーズにおけるハーンの最後の仕事となった。 ハーンは高速だがクリアで聴きやすい実況を売りにしていた一方で、ユニークな表現で数々のバスケ用語を発明している。リングにもボードにも当たらないシュートを「エアボール」、フリースローラインのことを「チャリティ・ストライプ」、回転のかかったレイアップを「フィンガーロール」、大差がついた試合の終盤における勝敗に影響のない時間帯を「ガベージタイム」と呼んだのはハーンが元祖であり、今では一般用語として使われている。