今季のトレードデッドラインでは、実現こそしなかったものの数々の噂が浮上していた。そのひとつが、ワシントン・ウィザーズのカイル・クーズマに関するものである。多くのチームが秋波を送っていたとされるなか、ウィングの強化を狙っていたダラス・マーベリックスはかなり本気だったと報じられている。 この時クーズマは、ウィザーズのマイケル・ウィンガー球団社長と直接会話したという。その内容を『The Athletic』のインタビューで明かした。 「ダラスは確かに僕を獲得したがっていた。ウィンガーはトレードの内容を説明してくれたんだけど、明らかに僕を放出するつもりじゃなかった。最終的な決定は僕に委ねてくれて、どうしたいかを聞かれた。だから『ここに残って何かを築き上げたい』と伝えたよ。それで話は終わったね」 その後ウィンガーはマーベリックスに連絡し、取引はしない旨を伝えたようだ。 なお『NBC Sports』によると、移籍に関してチームが選手の意思をこれほどまでに優先するケースは、リーグトップクラスの選手以外では珍しいという。ウィザーズは今季9勝44敗と苦戦を強いられているものの、フロントはチームに忠誠心を誓うクーズマを軸とした再建に取り組む覚悟を示したのかもしれない。