今シーズン限りで引退した元スター選手のドウェイン・ウェイドが、昨年2月に校内で銃乱射事件があったマジョリティ・ストーンマン・ダグラス高校の卒業式に登場した。 壇上でスピーチをしたウェイドは、自らのことを「MSD(マジョリティ・ストーンマン・ダグラス)ファミリーの一員」と称し、「私もNBAで16年プレーしたあとに何が待ち構えているのか分かっていない状況だから、卒業生たちが将来に不安を抱えていることを十分に理解できる」と語った。 「私は『MSD Strong』という標語を語ることを誇りに思っている。今日、君たちは人生の新たなチャプターに踏み出し、未知なることや旅や思い出を経験するはずだ。そして、同時に君たちはこの学校で成し遂げたことを誇りに思うだろう。私も、人生における重大なチャプターに幕を閉じた。だから、今の君たちの気持ちが良く理解できるんだ」 この日、ウェイドはサプライズで登場した。昨年2月14日(現地時間)に同校で銃乱射事件があった直後にも、ウェイドはサプライズで訪問している。 「私は『自分がここに来ることで、生徒たちに何の得があるのだろう?』とか『自分が有名スポーツ選手だからって、彼らは喜んでくれるのか?』といったことを不安に思っていた。でも、この学校のカフェテリアに入った時、生徒たちが私を見つけて笑顔になり、皆んなが駆け寄ってきてスマホを取り出したんだ。その光景を見て驚いたよ」 同校で銃乱射事件があって以降、ウェイドは学校のセキュリティ改善を主張している。また、ウェイドは事件で亡くなったホアキン・オリバー君の墓に自分のジャージーを奉納している。オリバー君は、ウェイドの大ファンだった。 スピーチの最後に、ウェイドは卒業生たちと一緒にある掛け声を合唱した。それは、ウェイドのお気に入りの映画で、第二次世界大戦中の空挺団を題材とした『Red Tails』の中で登場した掛け声で、マイアミ・ヒートが2013年に優勝した時にも使っていたものだ。 ヒート時代に、彼はチームメイトに「最後の1人になるまで、最後の1分、最後の1秒まで俺たちは戦う!俺たちは戦う!俺たちは戦う!」という掛け声をかけ、チームを優勝に導いた。この日、彼は卒業生にも同じ掛け声を合唱させ、最後に「MSD Strong」と言ってスピーチを締めくくった。