【NBA Rakuten解説者インタビュー】佐々木クリスさん「3ポイントの精度とディフェンスのレンジを広げていくことが、八村選手の活躍に直結してくる」

2023-24シーズンの開幕を記念して、「NBA Rakuten」の解説でもお馴染みの佐々木クリスさんにインタビュー。注目チームや注目選手について語ってもらった。※インタビューは10月25日のレイカーズ対ナゲッツ戦の解説後に実施。

サンズのオフェンスは問題ない

――クリスさんが今季注目しているウェストのチームはどこですか? クリス:昨季王者ナゲッツのオフェンス力に対抗しうる可能性が最も高いのはサンズだと思っています。ケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールのビッグ3がどうなっていくのかを見ていきたいですね。今季のカンファレンス決勝で対戦するのはこの2チームと予想しています。 今日レイカーズ対ナゲッツ戦を解説しましたが、ナゲッツの完成度はとても高かったです。ケミストリーも抜群だし、勝負所を分かっているニコラ・ヨキッチはまさにコート上の指揮官でした。さらにジャマール・マレー、アーロン・ゴードン、KCP(ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ)らの貢献度も高いです。 サンズがナゲッツに勝つには、マレーを止められるかがカギになるでしょう。ヨキッチはもう止められないので、マレーをいかにして封じるか。試合の局面でサンズは誰がマレーにマッチアップするか注目です。それがジョシュ・オコーギーなのか、グレイソン・アレンなのか、渡邊雄太選手になるのかは分かりませんが、チームの命運を握る重要なポジションになると見ています。 サンズのオフェンスは問題ないと思います。3人のいいところは、スポットアップからでもキャッチ&シュートの3ポイントも確率が高い点。複雑なセットプレイじゃなくても、例えばデュラント1人でダブルチームを引き出せるので、あとは4対3で相手ディフェンスを崩していくと。オフェンスではブッカーがポイントガードを務めることになると思うのですが、彼のピック&ロールゲームは主に視野の広がり方が年々上達しています。ユスフ・ヌルキッチやデビン・イーバンクスも、ポケットパスを受けてからの展開力や状況判断はディアンドレ・エイトン(現ポートランド・トレイルブレイザーズ)より上。ハブとしてボールを動かし続けられる彼らの貢献も見逃せません。オフの間はポイントガード不在であったり、移籍したエイトンの穴について取り沙汰されることもありましたが、2週間後くらいには誰もその話題を口にしなくなるのではと思っています。

オフにビールを加えたサンズ。クリスさんも「オフェンスは問題ない」と太鼓判を押す

バックスをチェックすればイーストの覇権争いが楽しめる

――それではイーストのチームはいかがでしょうか? クリス:今季もセルティックスとバックスがイーストをリードすると思います。彼らはカンファレンス決勝に行けなかったら失敗と言われるシーズンだと思います。今季は西高東低と見ていますが、優勝の確率はセルティックスもバックスもウェストのトップチームと変わらないです。 現時点ではセルティックスの方がイーストを制する可能性は高いと見ています。バックスは昨季怪我に苦しんだクリス・ミドルトンや35歳のブルック・ロペスなど主力の状態が気になりますね。ヤニス・アデトクンボと新たに加わったデイミアン・リラードによる、これまで見たことがないようなピック&ロールであったり、ディフェンスのアイデンティティを手放してオフェンスに振り切ったこと、エイドリアン・グリフィン新HC(ヘッドコーチ)の下、どのようなチームになっていくのかを見るのは、すごく楽しみです。バックスをチェックすればイーストの覇権争いがより楽しめると思います。 これまでダブルチームされるのが当たり前だったヤニスは、リラードの加入でこれまで享受したことがないようなスペーシングが得られるはず。ヤニスにとって、自分以外のチームメイトがダブルチームされている光景は衝撃でしょうね(笑)。そうしたシチュエーションが多く発生すれば、ヤニスは物凄い威力を発揮できるでしょう。 あとはネッツですね。ベン・シモンズ次第ではありますが、チームはリーグトップクラスのディフェンスを構築するだけのタレントは揃っています。そこにシモンズがシクサーズ在籍時のように速攻で多くのチャンスを創出できれば、イースト中位のチームを出し抜くことも考えられると思います。

アデトクンボとリラードのデュオは破壊力抜群。2人の出来がイーストの趨勢を占いそう

今季は2人の役割が似通ってくる

――今季の八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)と渡邊雄太(フェニックス・サンズ)にはどのような活躍を期待していますか? クリス:嬉しいことに、2人とも優勝を狙えるチームに所属しています。シーズンが終わった時に、もしどちらかがチャンピオンになったら「日本人プレイヤーが優勝に貢献した」と言えるんですよ? 考えただけでゾクゾクするし、それだけ期待の大きなシーズンになると思っています。 今季は2人の役割が似通ってくると考えています。渡邊選手はネッツに所属していた昨季、3ポイント成功率44.4%というリーグでも相当警戒される数字を記録しました。さらにディフェンスでも、36分換算のシュートコンテスト数が9.8と、ネッツでも3番手だったんですよね。そのぐらいコート上のいたるところで、エネルギッシュに相手のシュートを邪魔していたということなので、そこはサンズもすごくプレシーズンから感じているんではないですかね。3&Dの名手として今シーズンも活躍してくれている姿をすごくイメージできます。 渡邊選手にディフェンス面で弱みがあるとすれば、サンズの問題でもあるポイントカードを守ることになってきます。ただ、ジョシュ・オコーギーが3ポイントをあまり得意にしていないのと、グレイソン・アレンはディフェンスがちょっと荒かったりします。また、サンズはリバウンドも去年課題だったので、クロージングの場面で渡邊選手のディフェンスとリバウンドに頼るということも考えられるなと。そういった競争を是非してほしいなって思いますね。

八村はアグレッシブさをどう差し込んでいくかがカギ

八村選手に関しては、特に今日の試合を見た人(注:15分の出場で6点、FG成功率30%)は「大丈夫か?」と心配する人もいると思うんですけど、僕は大丈夫だと思います。キャリアの中で適切な緊迫感が必要ですし、先発かベンチかというのはさほど重要ではなくて、やっぱりゲームを締めくくる、プレイオフの勝利につながる時間帯にコートに立っているかが一番重要です。 レイカーズではパワーフォワードとセンターのポジションだけでも7人ぐらいのローテーションが組めるので、やっぱり引き続き競争に勝っていかなきゃいけない。その点は渡邊選手と違いはないと見ています。 なので、八村選手は昨シーズンのプレイオフで躍進をした時のように、3ポイントとディフェンスの面で貢献できると証明しないと、彼の持ち味の部分も使われなくなってしまう。試合終盤でレブロンとADの2人を支えつつ、自分のアグレッシブさをどう差し込んでいくかになります。そこを上手く出すことができないと、本人が思っている以上にプレイタイムは削られてしまう可能性もあります。 だから、レブロンのバックアップという仕事だけではなく、ボールハンドラーにもスイッチできるだけの機動力とディフェンスを見せていかなきゃいけないのかなと。3ポイントの精度とスモールフォワードまでディフェンスのレンジを広げていくことが、彼の活躍に直結してくるので、そこに注目していただけたらと思いますね。

クリスさんは八村がチーム内での競争に勝っていくカギとして「3ポイントの精度とスモールフォワードまでディフェンスのレンジを広げていくこと」と解説

「何この人? 宇宙人?」と思わせる面白さがある選手

――八村と渡邊以外で注目している選手を挙げて頂けますか? クリス:ウォリアーズのステフ・カリーがピークパフォーマンス維持してまだプレイできているので、それは見続けたいという気持ちは単純にあります。ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)とかザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)といった選手は、多分これから見始める人にも、単純に「何この人? 宇宙人?」と思わせるような面白さを存分に感じてもらえるんではないかと思います。あとはフィラデルフィア・76ersがちょっとゴタゴタしてますけど、タイリース・マクシーがオールスターに選出されたり、MIP賞の有力候補になると見ていますね。それにオーランド・マジックのフランツ・バグナーとパオロ・バンケロ。この 2人がオールスタークラスになるのかも気になります。 マジック同様にこの先勢力分布を変えてくれるようなチームになり得るという意味ではオクラホマシティ・サンダーもそうですね。NBAを見始める人が、今からこの2チームに注目しておけば、もしかしたら2〜3年後に「ほらね」と言えるかもしれません(笑)。 ――では最後に、もし今季のNBAにキャッチコピーを付けるとしたら? クリス:「Unpredictable(予測不可能)」、ですかね。

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