ブルックリン・ネッツの渡邊雄太は、今季自己最高のシーズンを送っている。1試合平均で6.7点、3ポイント成功率は49.5%といまだ高水準をキープしている(成績は日本時間1月29日時点)。無保証契約で始まったシーズンに、ここまでの活躍は誰も予想しなかっただろう。 チームは30勝19敗でイースタン・カンファレンス4位。上位争いをするなかでローテーションの座を実力で勝ち取り、いまやチームにとって欠かせない貴重な1ピースへと成長を遂げた。
しかし活躍をすると徹底的に分析され、マークが厳しくなるのがNBAだ。1月に入り渡邊の3ポイントシュートに対する各チームの警戒感はより一層増している。1月の平均得点は4.5点、3ポイント成功率は43.5%と成績は下降気味で、3ポイントの試投数は1.8本と1試合あたり約1本減っている。 そしてチームの大黒柱ケビン・デュラントが怪我のため欠場。ディフェンスを引きつける存在がいないことも大きく影響し、デュラント不在の直近9試合ではワイドオープンでの3ポイント試投数も減少している(シーズン平均1.5本→直近9試合1.1本)。 変化する相手の対応に対して渡邊も「得点パターンを増やさないといけない」と語るなど、3ポイント頼みからの脱却という課題に向き合っている。1月はそれ以前と比べると、全FG試投のうち3ポイントの占める割合が減少(57.4%→52.3%)。また、ミッドレンジからの得点の割合も増加(1.1%→6.9%)しているのだ。
さらにフリースロー試投数も、36分平均で換算すると増加(1.4本→2.5本)。自らドライブして獲得したフリースローに限ると、1月以前では0本だったのが1月だけで4本とよりゴールに向かってアグレッシブに攻めることができている。得点だけではなく、ここ数試合ではドライブからのキックアウトで味方の3ポイントを演出するなど、プレイの幅が広くなったと言えるだろう。
そして渡邊の真骨頂といえばハッスルプレイやチームへの献身さである。1月8日のマイアミ・ヒート戦では、1点ビハインドのラストプレイでカイリー・アービングの3ポイントがリングに弾かれるとオフェンスリバウンドに飛び込み、ロイス・オニールの逆転シュートを呼び込み、1月23日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦では、終盤に体を張ったスクリーンでジョー・ハリスの同点3ポイントを演出してチームの勝利に貢献。試合後には「頭を使って自分に必要なことをやり切れた。得点できない時も体を張ってチームのためにできることをする」と、試合に対する変わらないマインドを語った。
今季絶好調の3ポイントも渡邊の魅力だが、泥臭くプレイする姿もまた渡邊の魅力の一つ。八村塁との日本人対決となる1月31日のロサンゼルス・レイカーズ戦では一体どんな“渡邊雄太”を見せてくれるのだろうか。 ■【THE MATCHUP】ロサンゼルス・レイカーズ対ブルックリン・ネッツ 日時:日本時間1月31日(火)午前9時30分(配信は午前9時10分開始) 会場:バークレイズ・センター 解説:佐々木クリス / 実況:加藤暁 視聴可能プラン:LEAGUE PASS