NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
ニューヨーク・ニックスは昨季、開幕6試合で5勝1敗とスタートダッシュに成功したが、そこから低迷。37勝45敗でカンファレンス11位に終わり、2年連続のプレイオフ進出を果たせなかった。 リベンジを期すチームは、オフに無制限FA(フリーエージェント)のジェイレン・ブランソンを4年総額1億1000万ドル(約160億円)で獲得。ブランソンは昨季ダラス・マーベリックスで、キャリアハイの平均16.3点、4.8アシストを記録するなど実力を磨いた。ニックスのポイントガードは怪我で苦しんだデリック・ローズや期待外れに終わったケンバ・ウォーカー(7月にデトロイト・ピストンズへトレード)と手薄だったため、リーダーシップにも定評のある26歳との契約は及第点の補強と言えるだろう。ただ、オールスター経験のない選手に払い過ぎとの声も多いだけに、ブランソンにとっては真価を問われる1年になることは間違いない。 ほかには昨季初めて平均20点をクリアしたRJ・バレットと4年1億2000万ドル(約174億円)、守護神候補であるミッチェル・ロビンソンと4年総額6000万ドル(約87億円)で契約延長と主力メンバーを確保した。ここに昨季の雪辱を目指すジュリアス・ランドルや3ポイントシューターのエバン・フォーニエ、サマーリーグでハイパフォーマンスを披露したクエンティン・グライムズと、大物こそいないがタレントはまずまず揃っている。選手たちが上手く噛み合い本来の力を発揮できれば、プレイオフ進出の可能性は十分にあるだろう。
エースのランドルとバレットの奮起はチームの成功に不可欠だ。2年前にMIP賞を受賞したランドルは、昨季チームトップの平均20.1点を挙げたが、FG成功率41.1%、3ポイント成功率30.8%とシュートタッチに苦しんだ。ブランソン獲得でプレイメイカーとしての役割が軽減されるなかで、一昨年のフォームを取り戻せるか注目だ。 逆にバレットは昨季ランドルに次ぐ得点源として活躍。一時はドノバン・ミッチェル(現クリーブランド・キャバリアーズ)のトレード要員として取り沙汰されていたが、そこから一転して契約延長するなどフロント陣の期待も大きい。この2人にブランソンを加えたコア3は、果たしてニューヨークに活気を再び取り戻せるのか。
2年前の躍進の要因はトム・シボドーHC(ヘッドコーチ)の代名詞と言える組織的なディフェンスで、そのシーズンはリーグ4位のディフェンシブ・レーティングを記録。しかし、昨季は同レーティングでリーグ11位(110.2)と悪化してしまった。 今季は堅守復活が求められるが、当時の守備におけるキーマンであったナーレンズ・ノエル(ピストンズ)はすでにいない。また、その他に目を向けても守備を生業にしているような選手は見当たらないのが現状だ。それだけにランドルやバレットを含め、チームとして指揮官の守備にコミットできるかが重要なポイントになってくる。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:106.5(26位) 平均失点:106.6(6位) 得失点差:-0.1(19位) 平均リバウンド:46.1(4位) 平均アシスト:21.9(30位) 平均スティール:7.0(27位) 平均ブロック:4.9(13位) FG成功率:43.7%(27位) 3ポイント成功率:35.7%(13位) FT成功率:74.4%(26位) オフェンシブ・レーティング:109.7(23位) ディフェンシブ・レーティング:110.2(11位) ※カッコ内はリーグ順位