今季の優勝候補に挙げられるブルックリン・ネッツが、苦戦を強いられている。日本時間12月28日(現地27日)時点ではイースタン・カンファレンス首位に立っていたが、そこから6勝10敗と負け越し順位は4位(29勝19敗)に転落。現在3連敗中で、プレイイン・トーナメント出場圏となるイースト7位のシャーロット・ホーネッツとは2ゲーム差となってしまった。 30日(同29日)には敵地でゴールデンステイト・ウォリアーズ(36勝13敗)と対戦するが、これ以上シードを下げないためにも連敗は止めておきたい。そのためには、アウェイマッチ限定でプレイする“パートタイム・プレイヤー”、カイリー・アービングの活躍がカギとなる。
新型コロナウイルスのワクチン未接種でニューヨークとトロントでの試合に出場できず、チームと合意の上で開幕から欠場が続いていたアービング。しかし、チームが調子を落とし始めた1月6日(同5日)に戦列復帰を果たした。ここまで7試合で平均23.4点、4.9リバウンド、5.1アシスト、FG成功率50.4%を記録。そのうち6試合で20点以上を挙げるなど自慢の得点力は健在で、開幕からのブランクを感じさせない活躍を披露している。 チームメイトのジェームズ・ハーデンも「彼のような選手はうちのチームに必要なんだ。いつでも得点を狙えるすごい才能の持ち主」とアービングを絶賛。実際にアービングが出場した1月のアウェイ戦におけるネッツのオフェンシブ・レーティングは、シーズン通算の数字から大幅に上昇(112.1→121.6)している。現在ネッツはエースのケビン・デュラント(左ひざ)、シューターのジョー・ハリス(左足首)が怪我で離脱中。また、ハーデンもハムストリングの痛みを抱えているため、起爆剤として機能するアービングへの期待は大きくなっている。
ウェスト2位につけるウォリアーズとの一戦で注目されるのは、アービングとステフィン・カリーのスコアリングガード対決だ。アービングが不在だった11月17日(同16日)の前回対戦では、37点とカリーの爆発を許して18点差で敗戦。その二の舞を演じないためにも、カリーとのマッチアップが予想されるアービングの活躍は重要となる。 ウォリアーズはカリーがFG成功率4割未満に終わった試合で9勝9敗と、明らかに勝率が落ちる。カリーは1月に入ってから平均21.2点、FG成功率37.6%。3ポイント成功率31.4%と不調だが、直前のミネソタ・ティンバーウルブズ戦ではシュートを20本中10本(3ポイント6/10)沈め、29点と復調の兆しを見せた。そのためアービングには攻守でカリーにプレッシャーをかけ、再度リズムを狂わせることが求められる。 NBAファイナルを含め、これまで28回対戦しているアービングとカリー。12勝16敗と負け越すアービングが意地を見せられるか注目だ。