今季のサプライズプレイヤーの1人と言えば、シカゴ・ブルズのデマー・デローザンだ。まだ序盤戦とはいえ、キャリア2位、そしてリーグ全体でも4位となる平均26.4点を挙げ、チームをイースト上位に導いている。その一方で苦しい時間を過ごしているのが、デローザンの交換相手としてブルズからサンアントニオ・スパーズへ移籍したサディアス・ヤングだ。出場時間は昨季から約9分減少し、主要スタッツもダウン。ポッドキャスト番組『The Alex Kennedy Podcast』に出演した際に、「今、この状況は自分にとって理想的じゃない」と不満を述べている。 現在スパーズは再建中で、15年目のベテランである自身よりも若手に出場機会を優先することが多くなっている。それでも、試合に出られない代わりに若手と一緒に練習に励んだり、ジムで長い時間トレーニングに励むなど、コンディショニングに励んでいることを明かした。さらに、若手の多いチームでリーダーシップを発揮していきたいとも考えているようだ。 このように与えられた状況下で前向きにベストを尽くそうとするヤングだが、先述の通り「理想的じゃない」と語ったのは、より長い時間コートに立ちたいという気持ちがあるからこそ。出場機会は減っていてもパフォーマンスの質は落ちていない一方で、チームが下位に低迷し続ければより若手の育成に注力することも考えられる。そうなればヤングの不満は大きくなるとともに、今後プレイオフを見据えてフロントコートを強化したいと思っているチームが触手を伸ばしてくるに違いない。 『NBC Sports』のカート・ヘリン記者は、ヤングについて「2月の期限日までにトレードされる可能性が高い選手リストのトップに近い人物」と評している。なお、昨オフにFAで加わった選手のトレードは日本時間12月16日(現地15日)から解禁となる。期限日は2022年2月11日(同10日)だ。ヘリン記者の予想通り、約2か月の間にヤングはスパーズ以外のユニフォームに袖を通すことになるのだろうか。