日本時間11月29日、ダラス・マーベリックス傘下のテキサス・レジェンズ(Gリーグ)に所属する馬場雄大がメディア向けに会見を実施した。今季は8試合で平均12.5点、5.3リバウンド、1.8スティール、FG成功率54.7%、3ポイント成功率41.2%と成長を示す馬場が、現在の目標やGリーグで戦う心境について語った。 ――今季の目標として平均25〜30分の出場や平均2桁得点を挙げていました。ここまではそれをクリアできていますが手応えは? 馬場:すごくいいコンディションでプレイできています。ただ、チームとして怪我人であったり、2ウェイ(契約)のコールアップであったり、色々な(ことが起きる)状況下のなか、コーチが信頼してくれているのが自分の一番の自信になっています。そこはレジェンズを選んで正解だったなと思っています。 ――NBAは10日間契約が日本時間1月6日(同5日)に解禁されますが、意識する部分はありますか? 馬場:シーズン前はいかにNBA選手になるかということを考えていました。ただ、今こうしてレジェンズでプレイさせてもらっていて、すごくこのチームでプレイするのが楽しいという正直な気持ちがあります。もちろんそれでNBAにコールアップされればいいですけど、今ある環境を楽しみながらそこに集中し過ぎずにやれていて、一番いいかなと思います。 ――直近4試合では先発として出場していますが、コーチからは何か助言はありましたか? 馬場:マーベリックスからアサイメント・プレイヤーが来て、あまり思ったような活躍ができなかった試合のあとの先発だったので、その時は「あまり深く考えずに。お前が思うようなプレイをしてくれればチームに貢献できるから、そこは信頼しているよ」というような言葉をいただきました。 ――試合に出場するときに、一番心掛けていることは? 馬場:エクスキュート(任務を実行する)の部分ですかね。バスケットは5人でやるスポーツなので、相手にものすごい選手がいても5人であれば守れないこともない。そういったディフェンスの部分だったり、監督から求められていることをいかに正確に実行するかっていうところを今はすごく意識していますし、日本人である僕の強みかなと思います。 ――12月には各チームのスカウトが集まるウィンターショーケースがありますが、そこでの試合は意識していますか? 馬場:ショーケースだったり、レギュラーシーズンだったりは、自分の中で関係なくプレイするようにしています。変に力が入る要因にもなりますし、自分のプレイを心がけていれば自然と結果はついてくると思います。いかに自分を信じられるかだと思うので、そこは周りの環境に流されずに自分のプレイをしていきたいという思いです。 ――GリーグからNBAを目指す道を進んでいる心境を改めて聞かせてください。 馬場:海外でプレイするようになって今3シーズン目なので、1年1年同じ挑戦であっても心の持ち方であったり、経験が増えていくにあたって海外での自分というものを見つけつつあります。今の心境としてはこの環境をどうこうという話ではなくて、いかにベストな自分になれるかというのを目指してやっています。1年目、2年目は環境に苦しんだっていうのを考えると、(今は)バスケのことだけに集中できているので、そういったところでは成長も感じられます。あとはずっとNBA選手になりたいって言っているんですけど、そこに執着しすぎずに自分のベストの状態を伸ばし、辿り着けるかだと思うので、そこを意識してやれている状況ですね。 ――NBA選手に執着しなくなったきっかけはありますか? 馬場:NBA選手になりたいという執着があることで、「この試合で活躍しなければいけない」というプレッシャーを自分でかけることになります。そこで自分が思うようなプレイができなくなったり、一瞬の判断で普段できることができなくなるという状況があるなと思い始めたんです。今の状況に満足してプレイすることが自分の最大限の可能性を引き出せる一番の要素なのかなと。将来のところは大体決まっていると思うので、(重要なのは)そこまでどういう道のりを辿るのかだと思っています。今のコントロールできる自分を意識してやるだけという心持ちでやっています。 ――NBAにコールアップされるために、もっとレベルを上げていきたいと思うポイントは? 馬場:欲を言えば、限界はないと思うので全スキル磨いていきたいです。ディフェンス然り、3ポイント然り、全スキル伸ばしていきたいというのが正直なところです。 ――数字としての目標を立てるというよりかは、オールラウンドに成長することを目指している? 馬場:そうですね。スタッツに残らないところも僕の一つの武器ですし、そういうところから、信頼を得ることにつながると思います。自分が求めるスタンダードなスタッツは意識しながら、基本は監督の言うことを実践できるかを突き詰めていきたいなと思っています。 ――日本代表が27日、28日と続けて中国代表と対戦し、連敗を喫したんですが、そういった結果はモチベーションになりますか? 馬場:代表の試合は常にモチベーションになっていますし、Bリーグ選手の頑張りを観れる機会でもあります。でも今はあまり結果は考えていませんでした。トム(ホーバス)監督になって最初の2試合でしたし、そんな簡単にチームが良くなるかと聞かれたらそうでもないと思うので。それでも観ながら、僕がこのチームに入ったらどういう役割になるかっていうのは気になってはいます。まったく新しいバスケなので、そういったところは意識して観ていました。 ――Gリーグ1年目はボールが回ってこない、プレイタイムがないという状況でしたが、主力として活躍できるようになった今、当時をどう思いますか? 馬場:起こるべくして起こっていると思うので、あの時の悔しい思いがなければ今の自分はないと思います。あの時があったからこそ、どうプレイタイムを勝ち取ろうかとか、そこから新しい悩みや感じるものも出てきました。今こうしてプレイできている理由は、コーチングスタッフが2年前と一緒なんですけど、これまでやってきた姿も観てくれていたと思います。オーストラリアでのプレイも追いかけてくれていたみたいで、すべてのプロセスが今信頼となり出場時間に現れているのかなと思います。すごく大変でしたけど頑張って良かったですし、これからもっと上のレベルに行くにあたってもっと大変なこともあると思いますけど、その思いを忘れずに頑張っていきたいです。