NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
昨季リーグ最高勝率を挙げたユタ・ジャズは、NBA随一の層の厚さを誇る。攻守の要であるドノバン・ミッチェルとルディ・ゴベアを筆頭に、シックスマン賞を受賞したジョーダン・クラークソン、いぶし銀の活躍を続ける15年目のマイク・コンリーなど、昨季は6人が平均2桁得点を記録。誰か1人に頼らないスタイルが強みだ。 また、プレイメイカー兼シューターとして機能するジョー・イングルズとボーヤン・ボグダノビッチ、守備が強みのロイス・オニールなど、それぞれの役割を理解した精鋭が揃っている。昨季はミッチェルとコンリーが万全の状態ではなくウェスト準決勝で敗退したが、選手が健康体であれば今季も優勝を争うコンテンダーの一角になる可能性が高い。
悲願のフランチャイズ初優勝を果たすには、大黒柱ミッチェルの活躍が欠かせない。昨季は平均得点(26.4)、アシスト(5.2)、3ポイント成功率(38.6%)で自己ベストを更新。スコアラーとしてだけでなく、プレイメイカーの才能も披露した。5年目となり名実ともにジャズの顔となったが、さらなる進化のためにはシュート成功率を向上させたい。 類稀な身体能力を活かしたペネトレーションと長距離砲を武器に得点を重ねるミッチェルだが、フィールドゴール成功率(43.8%)は昨季の得点ランクトップ30の中で3番目の低さだった。特にゴール下(制限区域内)のシュート成功率は、平均20得点以上挙げた43人中ワースト4位(57.5%)と改善の余地を残す。身長185cmというハンデはあるものの、比較対象としても名前が挙がるドウェイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか/現ジャズ共同オーナー)のようなフィニッシュ力を身につけられれば初の得点王も夢ではなく、成長した分だけ優勝の可能性は高くなるはずだ。
チームの平均3ポイント成功数(16.7)、試投数(43.0)がともに昨季はトップだったが、今季もその傾向に変わりはないだろう。FA市場でベテランのルディ・ゲイと契約し、ドラフトではジャレッド・バトラーを全体40位で指名。長距離砲に優れた人材を補強し、今季も3ポイントを果敢に狙っていくことが予想される。 オフにはその他にも2度ブロック王に輝いているハッサン・ホワイトサイドをゴベアの控えとして迎え入れ、ミッチェルの親友であり得点力に長けたエリック・パスカルも獲得。机上は昨季以上の戦力が整った。主力組の高齢化は懸念されるが、8年目を迎えるクイン・スナイダーHC(ヘッドコーチ)の下で一丸となり、頂点まで勝ち抜けられるか注目だ。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 ルディ・ゲイ(スパーズ) ハッサン ・ホワイトサイド(キングス) エリック・パスカル(ウォリアーズ) ジャスティン・ジャクソン(キングス) ジャレッド・バトラー(2巡目40位、ペリカンズ経由) マイク・コンリー(再契約) トレント・フォレスト(再契約) 【退団】カッコ内は今季所属チーム ジョージ・ニアン(シクサーズ) デリック・フェイバース(サンダー) マット・トーマス(解雇→ブルズ) ジャレル・ブラントリー(解雇) 【フリーエージェント】カッコ内はFAの種類 アーサン・イリャソバ(制限なし) ジュワン・モーガン(制限なし)
レギュラーシーズン:52勝20敗(.722/ウェスト1位) プレイオフ:6勝5敗(.545/ウェスト準決勝敗退) ■チームスタッツ 平均得点:116.4(4位) 平均失点:107.2(3位) 得失点差:+9.3(1位) 平均リバウンド:48.3(1位) 平均アシスト:23.7(23位) 平均スティール:6.6(29位) 平均ブロック:5.2(8位) FG成功率:46.8%(16位) 3ポイント成功率:38.9%(4位) FT成功率:79.9%(8位) オフェンシブ・レーティング:116.5(4位) ディフェンシブ・レーティング:107.5(3位) ※カッコ内はリーグ順位