NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
ポートランド・トレイルブレイザーズは直近9シーズンでチームを8度のプレイオフ出場に導いたテリー・ストッツHC(ヘッドコーチ)を6月に解任。昨季までロサンゼルス・クリッパーズのアシスタントコーチを務めたチャウンシー・ビラップスをその後釜に招聘し、新たなスタートを切る。 ビラップスHCは、「優勝するには選手全員がタフに、そして一生懸命にディフェンスへ取り組まなければならない」と、昨季ディフェンシブ・レーティングがリーグ29位(115.3)と散々な出来だった守備の強化を宣言。現役時代の2004年に “Defense wins Championships(ディフェンスが優勝への道筋)”をモットーにしていたデトロイト・ピストンズで優勝を経験した新指揮官が、これまで点の取り合いを演じてきたチームに守備のマインドを植え付けることができるか注目だ。
デイミアン・リラードとCJ・マッカラムを中心に展開するオフェンスも、改革が必要とされている。昨季のオフェンシブ・レーティングは2位(117.1)だったが、その得点の多くは平均試投数が2位(40.8本)の3ポイントシュート。成功率が37%未満に終わった試合では9勝21敗とシュートの調子に左右されることが多く、安定感のないシーズンとなった。 ビラップスHCも長距離砲頼みの戦術には限界を感じており、今季はボールムーブメントの意識を高めオフェンスの効率化を目指すことを示唆している。
エースのリラードを軸にチームを作り上げ、プレイオフ常連となったブレイザーズだが、直近5年では4度1回戦で敗退している。移籍を要求しているとの噂も流れた大黒柱を説得するためにも、今オフは大幅な補強が期待されたが、実際に大きな動きは見られなかった。 新加入のラリー・ナンスJr.、トニー・スネル、ベン・マクレモア、コディ・ゼラーは、いずれも実力ある選手だが、チーム状況を一変するほどのビッグネームではない。リラードはメディアデーで「チームが好転すると信じて今シーズンを戦う」と語ったが、もし結果がついてこないようであればトレードを志願しても不思議ではない。ブレイザーズにとっては、将来を左右する勝負の年となる。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 トニー・スネル(ホークス) ベン・マクレモア(レイカーズ) コディ・ゼラー(ホーネッツ) デニス・スミスJr.(ニックス) パトリック・パターソン(クリッパーズ) ラリー・ナンスJr.(キャバリアーズ) グレッグ・ブラウン三世(2巡目43位、ペリカンズ経由) トレンドン・ ワットフォード(ドラフト外) ノーマン・パウエル(再契約) ケルジン・ブレビンス(再契約) 【退団】カッコ内は今季所属チーム カーメロ・アンソニー(レイカーズ) ザック・コリンズ(スパーズ) エネス・カンター(セルティックス) デリック・ジョーンズJr.(ブルズ) ハリー・ジャイルズ三世(クリッパーズ) 【フリーエージェント】カッコ内はFAの種類 ロンデイ・ホリス・ジェファーソン(制限なし) TJ・リーフ(制限なし)
レギュラーシーズン:42勝30敗(.583/ウェスト6位) プレイオフ:2勝4敗(.333/ウェスト1回戦敗退) ■チームスタッツ 平均得点:116.1(5位) 平均失点:114.3(23位) 得失点差:+1.8(12位) 平均リバウンド:44.5(12位) 平均アシスト:21.3(30位) 平均スティール:6.9(25位) 平均ブロック:5.0(13位) FG成功率:45.3%(23位) 3ポイント成功率:38.5%(6位) FT成功率:82.3%(3位) オフェンシブ・レーティング:117.1(2位) ディフェンシブ・レーティング:115.3(29位) ※カッコ内はリーグ順位