NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
ヒューストン・ロケッツは、2012年からエースとして活躍したジェームズ・ハーデンをシーズン途中に放出し、再建を決断した。結果的に昨季は球団ワーストの20連敗を喫し、リーグ最下位の17勝55敗という結果に終わったが、オフに保有していた複数のドラフト指名権を使って、新たなスタートを切っている。 1巡目だけで4人も指名したロケッツだが、特に全体2位で指名したジェイレン・グリーンはチームの将来を背負う存在として期待が集まる。コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)とも比較される得点パターンが豊富な生粋のスコアラーで、フランチャイズプレイヤーとなり得るタレントだ。また、16位指名のアルペレン・シェングンも、非常に楽しみな選手である。昨シーズン、18歳(当時)にして母国トルコ・リーグでMVPを受賞。今年のドラフトスティールとも称されている。 この2人に続く形で、守備型ビッグマンのウスマン・ガルーバ(20位指名)、ダイナミックなスコアラーとして知られるジョシュ・クリストファー(24位指名)を獲得したロケッツを、今ドラフト最大の勝者として上げる声も少なくない。
今季は主に若手の成長がテーマになるが、グリーンとシェングンのサマーリーグでの姿はヒューストンのファンに希望を持たせるものだった。 グリーンはハムストリングを負傷して3試合の出場にとどまったが、平均20.3得点、FG成功率51.4%、3ポイント成功率52.6%、フリースロー成功率92.9%と持ち前の得点力を発揮。シェングンも平均14.5得点、10.8リバウンド、3.0ブロックと攻守で才能を見せた。シーズン本番でもこの活躍が続くかは蓋を開けてみないと分からないが、新時代の幕開けを感じさせる上々のデビューと言えるだろう。
期待されるのはドラフト組だけではない。平均21.0得点、9.6リバウンドとインサイドの要として成長を見せたクリスチャン・ウッド、非凡なオフェンス力を秘めるケビン・ポーターJr.、守備に定評があるジェイショーン・テイト、抜群の身体能力で違いを生み出すケニオン・マーティンJr.と、既存戦力にも力のある選手が揃っており、将来性あふれる魅力的なチームとなった。 司令塔ジョン・ウォールはトレードを模索することでフロントと合意済みで、チーム最古参のエリック・ゴードンも移籍濃厚と、頼れるベテランは少ない。いきなり勝利という結果を期待するのは酷だろう。それでも再建という点においては、希望を持てるシーズンとなりそうだ。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 ダニエル・タイス(ブルズ) ジェイレン・グリーン(1巡目2位) アルペレン・シェングン(1巡目16位、サンダー経由) ウスマン・ガルーバ (1巡目23位) ジョシュ・クリストファー(1巡目24位) デイビット・ヌワバ(再契約) ダンテ・エクサム(再契約) アンソニー・ラム(再契約) アーモニ・ブルックス(再契約) 【退団】カッコ内は今季所属チーム スターリング・ブラウン(マーベリックス) キャメロン・オリバー(ケルン・タイバンズ) キャメロン・レイノルズ(アキーラ・バスケット・トレント) ケリー・オリニク(ピストンズ) エイブリー・ブラッドリー(ウォリアーズ) DJ・ウィルソン(サンダー)
レギュラーシーズン:17勝55敗(.236/ウェスト15位) プレイオフ:不出場 ■チームスタッツ 平均得点:108.8(24位) 平均失点:116.7(27位) 得失点差:-7.9(27位) 平均リバウンド:42.6(27位) 平均アシスト:23.6(24位) 平均スティール:7.6(14位) 平均ブロック:5.0(14位) FG成功率:44.4%(28位) 3ポイント成功率:33.9%(28位) FT成功率:74.0%(27位) オフェンシブ・レーティング:107.0(27位) ディフェンシブ・レーティング:114.4(27位) ※カッコ内はリーグ順位