NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
ルカ・ドンチッチを中心とするダラス・マーベリックスは昨シーズン、11年ぶりの地区優勝を果たしたが、プレイオフでは2年連続1回戦敗退と悔しい幕切れとなった。フランチャイズ初優勝を飾った2010-11シーズン以降、6度出場したプレイオフは全て1回戦止まり。そんななか迎えたオフに、チームは新体制へと移行した。 GM(ジェネラルマネージャー)、アシスタントGMとして24年にわたりチームを支えたドニー・ネルソン、そして13年間チームを率いたリック・カーライルHC(ヘッドコーチ)が退任。ネルソンの後釜には、ナイキのエグゼクティブを務めてきたニコ・ハリソンが入り、HCは昨シーズンまでロサンゼルス・レイカーズのアシスタントコーチだったジェイソン・キッドが就任している。さらにはマーベリックスのレジェンドであるダーク・ノビツキーをスペシャルアドバイザーとして迎え入れ、今シーズンを迎える。
今季のマーベリックスで大きなテーマとなるのが、ルカ・ドンチッチの負担軽減だ。就任会見でキッドHCは若きエースの新たな起用法について言及している。 「彼はボールを持った時に特別な力を発揮する。しかし、オフボールでのプレイを増やすこと、人にボール運びを任せることについて、彼がどう思っているのかを聞こうと思う。第4クォーターに疲れ果てているシーンがよく見られたからね」 実際に昨シーズンのプレイオフでドンチッチは、第4クォーターのFG成功率が34.9%(15/43)、3ポイント成功率は27.8%(5/18)と低調だった。エースが勝負どころで万全の状態を保つため、ドンチッチに次ぐ、平均20.1得点を挙げたクリスタプス・ポルジンギスや、「第3の男」として存在感を示したティム・ハーダウェイJr.の活躍が重要となるだろう。特にドンチッチとの相性が疑問視されるポルジンギスは、2019年の加入以降、思うような結果を残せていないだけに奮起が期待される
とはいえ、主な新加入は3&Dのレジー・ブロック、ビッグマンのモーゼス・ブラウン、守備型ガードのフランク・ニリキナとロスターに目立った補強はなく、今シーズンもチームの主役はドンチッチだ。昨シーズンも平均27.7得点、8.0リバウンド、8.6アシストとオールラウンドなパフォーマンスを披露。また、プレイオフでは、疲れを見せることはあっても、平均35.7得点、7.9リバウンド、10.3アシストとプレイレベルを上げ、大舞台での強さを発揮した。さらにシーズン終了後の東京オリンピックでは平均23.8得点、9.7リバウンド、9.8アシストと大車輪の活躍で、大会初出場の母国スロベニアを4位に導いている。 オフにはマーク・キューバン・オーナーを含めたフロント一同が母国まで足を運んで5年総額2億700万ドルで契約を延長。名実ともにリーグの顔になりつつある神童が、今季はどこまでチームを引き上げられるのか目が離せない。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 ティム・ハーダウェイJr.(再契約) ボバン・マリヤノビッチ(再契約) スターリング・ブラウン(ロケッツ) レジー・ブロック(ニックス) モーゼス・ブラウン(サンダー) フランク・ニリキナ(ニックス) ユージン・オモルイ(ドラフト外) 【退団】カッコ内は今季所属チーム ジョシュ・リチャードソン(セルティックス) ニコロ・メッリ(オリンピア・ミラノ) JJ・レディック(引退) 【フリーエージェント】カッコ内はFAの種類 タイラー・ベイ(制限なし)
レギュラーシーズン:42勝30敗(.583/ウェスト5位) プレイオフ:3勝4敗(.429/1回戦敗退) ■チームスタッツ 平均得点:112.4(17位) 平均失点:110.2(9位) 得失点差:+2.3(11位) 平均リバウンド:43.3(21位) 平均アシスト:22.9(26位) 平均スティール:6.3(30位) 平均ブロック:4.3(26位) FG成功率:47.0%(13位) 3ポイント成功率:36.2%(18位) FT成功率:77.8%(15位) オフェンシブ・レーティング:114.6(8位) ディフェンシブ・レーティング:112.3(21位) ※カッコ内はリーグ順位