現在、NBAで通算得点記録でトップに立つのがカリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか)だ。20年のNBAキャリアで通算3万8387点を残したのだが、そのジャバーに3020点差で迫るのが、歴代3位で通算3万5367点を挙げてるレブロン・ジェームズ(レイカーズ)である。 ジェームズは直近3シーズン、ケガや新型コロナウイルスによる短縮の影響で出場試合数が少ない中でも1シーズンあたり平均1443点をマークしていた。長期離脱がない限り、あと2シーズンで歴代トップに浮上する可能性がある。 前人未到の大記録を更新される可能性について、ジャバーはマーク・スタイン記者とのインタビューで、ジェームズを応援するスタンスであることを明かした。 「一人の人間が誰も成し得たことのない偉業を達成するというのは、実は誰にでにもできる可能性があるんだ。その事実が希望とインスピレーションの源となる。(陸上選手の)ロジャー・バニスターが1マイル4分台を記録したのは1954年のこと。その後、1400人のランナーがそのタイムを更新しただけでなく、新記録は17秒も短縮されている。もしレブロンが私の記録を破ったら、彼を応援するだろう」 主に1970~80年代のNBAでプレイしたジャバーは、当時押しも押されもせぬトップセンターとして活躍していたが、年俸は現在のベテラン最低保証額程度の金額だった。そうした事情もあって、往年の選手のなかには高年俸を享受する現在の選手に厳しい言葉を投げかける者もいるが、ジャバーは純粋に今の選手たちを応援しているようだ。 ジェームズは今夏、「レイカーズでキャリアを終えられることを願っている。4年、5年、6年、7年、何年後までかは分からないが、とにかくプレイを続けたい」と語っている。大きな怪我のような不運がなければ、ジャバーの記録更新、さらには史上初の通算4万点も夢ではない。その際には、レイカーズの“先輩”であるジャバーから祝福を受けるはずだ。