日本時間7月18日(現地17日)午前10時、フェニックス・サンズ・アリーナでフェニックス・サンズ(51勝21敗)とミルウォーキー・バックス(46勝26敗)のNBAファイナル第5戦が行われる。ここまでは両チームともにホームで勝ち星を挙げ、シリーズ成績は2勝2敗のタイ。勝者がリーグ制覇に王手をかける重要な一戦での注目ポイントを紹介する。
ミルウォーキーで2連敗を喫したサンズが、フェニックスに戻る第5戦で勝利するには司令塔クリス・ポールの復調が欠かせない。キャリア16年と経験豊富で、堅実なプレイメイクに定評のあるポールだが、直近3試合は計15ターンオーバーとらしくないミスが目立っている。カンファレンス決勝までの14試合で犯したターンオーバーが22個だったことを踏まえると、自身の良さを出し切れていないのは明らかだ。 特に今季ディフェンシブ1stチームに選出された、バックスのドリュー・ホリデーとのマッチアップでリズムを失っている。ファイナル中に喫した17ターンオーバー中7個は、ホリデーと対峙したときのもの。第3戦からはフルコートで執拗にマークされ、悪戦苦闘する姿も散見された。現地メディアが「“ポイント・ゴッド”から“オー・マイ・ゴッド(なんてこった)”に」とポールの愛称を使って皮肉るなど、精彩を欠くベテランに対する風当たりは強くなっている。ホリデーとのマッチアップではFG成功率77.8%(14/18)とスコアラーとしては結果を出しているだけに、次戦ではプレイメイクの仕事をデビン・ブッカーとシェアし、自ら積極的に得点を狙うことが不振脱却に繋がるかもしれない。
対するバックスの命運を握るのは、クリス・ミドルトンだ。第4戦ではチームが挙げた最後の12得点中10得点を記録するなど、合計40得点を叩き出してチームの逆転勝利に貢献した。エースのヤニス・アデトクンボも、「試合に勝とうが負けようが彼を信じている」と、今プレイオフで自身に次ぐ平均23.6得点を挙げている相棒に絶大の信頼を寄せている。 ミドルトンが30得点以上マークした試合は5戦全勝、FG成功率40%以上の試合では13勝1敗と、ミドルトンの出来がポストシーズンでの勝敗を左右している。サンズにはミケル・ブリッジスやジェイ・クラウダーと優秀なディフェンダーを揃っているが、再び大暴れできるか注目だ。 歴史を振り返ると、2勝2敗となったNBAファイナルでは第5戦を制したチームが72.4%(29回中21回)という高確率で優勝するというデータが残っている。実力が拮抗する両チームだが、ラリー・オブライエン・トロフィーに一歩近くのはどちらのチームか。