日本時間6月8日(現地7日)、フェニックス・サンズ・アリーナでウェスト第2シードのフェニックス・サンズ(51勝21敗)と第3シードのデンバー・ナゲッツ(47勝25敗)によるカンファレンス準決勝が開幕する。レギュラーシーズンの対戦ではナゲッツが2勝1敗と勝ち越しているが、うち2試合はオーバータイムでの決着と接戦だった。実力が拮抗する両チームのシリーズにおける注目ポイントを紹介する。
このシリーズを通してポイントとなるのが、MVP最有力候補として挙げられるナゲッツのニコラ・ヨキッチと、サンズのディアンドレ・エイトンのビッグマン対決だ。ヨキッチはポートランド・トレイルブレイザーズとのプレイオフ1回戦で平均33得点、10.5リバウンド、4.5アシストをと躍動し、チームの柱としてナゲッツを引っ張った。対する3年目のエイトンも、平均15.8得点、10.7リバウンド、FG成功率79.6%と自身初のプレイオフながら存在感を発揮している。プレイオフに入ってもMVP級の活躍を披露するヨキッチだが、レギュラーシーズンで対戦した際、エイトン相手にFG成功率38.2%(13/34)と苦戦した。この傾向がプレイオフでも続くのか注目したい。
2009-10シーズン以来のプレイオフ出場、1回戦突破を決めたサンズを牽引しているのはデビン・ブッカーだ。エイトン同様、初のプレイオフだが平均29.7得点、6.2リバウンド、5アシスト、3ポイント成功率42.9%を挙げ、チームを昨季王者ロサンゼルス・レイカーズ撃破に導いた。「プレイオフに入ればどのチームも毎試合ゲームプランを変えてくるから、連続して活躍することはなかなか難しい。だけど、勝つための方法を模索する術を、前回のシリーズで学ぶことができた」と、試合中にアジャストすることの大切さを述べたブッカー。経験を積み、一皮向けた24歳のスコアラーの活躍に期待が懸かる。
両チームのキーマンには、ナゲッツはマイケル・ポーターJr.、サンズはクリス・ポールを挙げたい。ポーターJr.はプレイオフ1回戦の第5戦、第6戦と続けて26得点を記録するなど、ジャマール・マレーが不在のなか、ヨキッチに次ぐ貴重な得点源としてチームに不可欠な存在となっている。サンズにはミカル・ブリッジズ、ジェイ・クラウダーといった優秀なウイングディフェンダーが揃うが、身長208cmというポーターJr.がサイズのアドバンテージを生かし、今シリーズでも安定的に得点を稼げるかは勝敗を分ける要因となりそうだ。 サンズはポールの右肩の回復具合が気になるところ。1回戦では怪我の影響により平均9.2得点、7.7アシスト、FG成功率38.6%、3ポイント成功率20.0%と本来の姿からは程遠い活躍だったが、司令塔として巧みな試合運びを見せた。かつてニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)でアシスタントコーチとして時間を共に過ごしたナゲッツのマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は、「サンズが今年いい成績を収めたのはブッカーとエイトンの成長もあるが、ポールが持っている勝者のメンタリティーやリーダーシップが大きい。彼はチームを束ねる能力に長けている」とその影響力を絶賛している。サンズが勝利するにはポールの出来がポイントになるだろう。 大事な初戦を取るのはどちらのチームか。実力伯仲の両チームの戦いを見逃すな。
■デンバー・ナゲッツ対フェニックス・サンズ 日時:日本時間6月8日(火)午前11時 会場:フェニックス・サンズ・アリーナ 解説:佐々木クリス / 実況:波多江良一