10万8713人――。2010年のオールスターを観戦するために会場へやってきたファンの数である。NFLダラス・カウボーイズの本拠地にNBA史上最多の観客を集めて行なわれたこの年のオールスターゲームでは、イーストがラジョン・ロンド(当時セルティックス)、デリック・ローズ(当時ブルズ)、ジェラルド・ウォーレス(当時ボブキャッツ)、アル・ホーフォード(当時ホークス)、デイビッド・リー(当時ニックス)、ウェストがデロン・ウィリアムズ(当時ジャズ)、ケビン・デュラント(当時サンダー)、ザック・ランドルフ(当時グリズリーズ)、クリス・ケイマン(当時クリッパーズ)と、実に9人もの選手が初出場を飾っている。 なかでも他の初出場組と一線を画していたのが、前年の新人王ローズとキャリア3年目を迎えていたデュラントだ。1998年のマイケル・ジョーダン以来となるブルズのオールスター選手となったローズは、切れ味抜群のドライブで大勢の観衆を魅了する。2日前のルーキーチャレンジでアシスタントコーチを務めていたデュラントも、シーズンと変わらぬシュートタッチを披露。チーム3位のFG試投数を記録するなど積極性も光った。 また、この年は現在ブルックリン・ネッツでヘッドコーチを務めるスティーブ・ナッシュ(ウェスト/当時サンズ)、ロサンゼルス・レイカーズのアシスタントコーチであるジェイソン・キッド(ウェスト/当時マーベリックス)をはじめ、イーストからはケビン・ガーネット(当時セルティックス)、クリス・ボッシュ(当時ラプターズ)、ドウェイン・ウェイド(当時ヒート)、ポール・ピアース(当時セルティックス)、ウェストからはダーク・ノビツキー(当時マーベリックス)、ティム・ダンカン(当時スパーズ)、チャンシー・ビラップス(当時ナゲッツ)など、今では引退しているレジェンドたちも多数プレイしていた。 これから大きなことを成し遂げようと野心を抱く若手と、大舞台を楽しむ余裕を感じさせる百戦錬磨のベテラン。それぞれのコントラストを楽しむのも、また一興である。