ステフィン・カリー(ウェスト/当時ウォリアーズ)が初めて夢の舞台に立ったのが、ルイジアナ州ニューオーリンズのスムージー・キング・センターで開催された2014年大会だった。このシーズン、自慢の3ポイントでリーグを席巻していたカリーは、ウェストのバックコート部門で堂々トップの票数を獲得。ウォリアーズで先発となったのは、1995年のラトレル・スプリーウェル以来という快挙だった。 ファンはカリーの3ポイントショーを期待したに違いない。しかし蓋を開けてみれば、カリーは11本中9本ミスというまさかの結果に。それでも、11アシストを配給して他のスターたちのスーパープレイを演出して見せたのは流石である。 そんなカリーのアシストも奏功したか、この年のオールスターゲームは壮絶な点の取り合いが繰り広げられた。ウェストはケビン・デュラント(当時サンダー)とブレイク・グリフィン(当時クリッパーズ)がともに38点を挙げれば、イーストはカイリー・アービング(当時キャバリアーズ)が31点、カーメロ・アンソニー(当時ニックス)が30点をマーク。それぞれがハイペースで得点を積み上げた。 そんなハイスコアリングショーのなかでも、とりわけ頭抜けていたのがアービングだった。第4クォーターだけで15点を叩き出し、一時は18点差をつけられていたイーストの逆転勝利を演出したのである。 また、この年の一戦は多くの記録が誕生した。2チームの合計得点(318)は1987年の303点を上回る史上最多。イーストの163点も2003年にウェストが挙げた155点を超える新記録で、ウェストが前半で挙げた89点、前半の2チームの合計得点(165)も新記録である。 ともすれば「オフェンス偏重でつまらない」と言われてしまうオールスターゲームだが、ここまで豪快な点の取り合いというのはなかなか痛快なものである。