マイアミ・ヒートのタイラー・ヒーローは、NBAファイナルに進出した2019-20シーズンのチームにおいて、新人ながら不可欠な存在だった。弱冠20歳と今後の飛躍が期待されるスター候補生だが、トレードが噂されるドリュー・ホリデー(ニューオーリンズ・ペリカンズ)の獲得にヒートが動くとなれば、交換要員にあがる可能性があると番記者が伝えている。 カレッジの名門ケンタッキー大で1年生ながらレギュラーの座を掴み、稀代のピュアシューターとして2019年のドラフト1巡目13位指名を受けたヒーローは、レギュラーシーズンはスーパーサブとして平均13.5得点を記録。ポストシーズンでも安定したプレイを続け、イースタン・カンファレンス決勝第4戦ではプレイオフのフランチャイズルーキー記録となる37得点をマークした。 ヒートからすればフランチャイズの将来を担う若手の1人だが、逆に言えば、他チームにとっても魅力的なタレントでもある。 『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が「ニューオーリンズ・ペリカンズはスターのドリュー・ホリデーのトレードに関してオープンなスタンスで、いくつかの強豪チームが動向を追っている」と報じたのを受け、マイアミの地元紙『South Florida Sun Sentinel』のアイラ・ウィンダーマン記者が反応した。 「ヒートは(ホリデーに)非常にフィットするチームだ。たとえ、それがヒーローを放出することになっても、だ。ヒートはまさにチャンスを掴む瞬間にいる」 ホリデーはNBAキャリア11年のベテランガードで、2018年にオールディフェンシブ1stチーム、2019年に同2ndチームに選出されるなど、守備に定評がある。仮にヒートに加入するとなれば、ジミー・バトラーとのエリートディフェンダーコンビが完成し、チームにとって大きな戦力となるのは間違いない。 もっとも、ヒートからすればヒーローを手放すのもそう簡単には決断できないだろう。“将来”か、それとも“今”か、パット・ライリー球団社長の手腕に注目が集まる。