ロサンゼルス・レイカーズのアンソニー・デイビスは、移籍1年目でリーグタイトルを獲得し、攻守両面での活躍から選手としての評価を上げた。“史上最高のパワーフォワード(PF)”とも言われるティム・ダンカンと比較される機会も増えているが、両選手とプレイした経験を持つ同僚のダニー・グリーンは、デイビスの才能を認めつつ、まだNo.1の域には達していないとの持論を展開した。 デイビスは今季開幕前、7年間を過ごしたニューオーリンズ・ペリカンズを離れて、トレードでレイカーズに加入。レギュラーシーズンでチームトップの平均26.1得点、9.3リバウンド、3.2アシストの成績を残すと、ポストシーズンでも全21試合に先発出場して平均27.7得点、9.7リバウンド、3.5アシストを叩き出し、自身初のリーグ優勝を果たした。 最優秀守備選手賞の投票では2位に入り、デンバー・ナゲッツとのカンファレンス決勝第2戦では劇的な勝ち越しブザービーターをヒット。“キング”ことレブロン・ジェームズと一緒にプレイすることで、ペリカンズ時代の故障がちのイメージから、頼れるスーパースターへと進化した印象がある。 かつてサンアントニオ・スパーズに8年間所属し、2014年にはダンカンとともにリーグ優勝も果たしているレイカーズのグリーンは、『The Ringer』の『NBA SHOW』でデイビスとダンカンの比較についてこのように語っている。 「AD(デイビス)がティミー(ダンカン)より優れているとは言わないけど、多くの類似点があるのは間違いない。ADのほうがより上手くボールを扱えるとは思う。ADは自分が才能あふれる選手であることを理解しているだろう。だけど、ティミーと同様のバスケットボールIQ、マインドセットの持ち主かと言えば違う。ティミーはとにかく信じられない選手だった。ADはそこに到達できる可能性はまだあると思う。ただ、あのポジション(PF)でティミーが史上最高だったのは間違いない」 身体能力や機動力、アウトサイドからのシュート力でデイビスに分があるのは間違いないが、スパーズを優勝5回と常勝軍団に導き、シーズンMVP2回、ファイナルMVP3回、オールNBAチームとオールディフェンシブチームに各15回選出されたダンカンと比べると、まだ実績では遠く及ばない。ただ、ポテンシャル的には“ダンカン・レベル”に到達しても不思議はないとグリーンは語っている。 デイビスはまだ27歳。怪我なくキャリアを歩むことができれば、いずれ“史上最高のPF”の議論がなされる際、候補者として名前が挙がるかもしれない。