ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは、2019-20シーズンのMVPに輝き、史上12人目となる2年連続受賞の快挙を成し遂げた。一方で、今季はプレイオフではカンファレンス準決勝敗退となり、NBA入り7年間でいまだファイナル進出の経験がない。今オフのトレードや来シーズン終了後のFA(フリーエージェント)移籍の噂が飛び交うなか、殿堂入り選手で現在は解説者を務めるチャールズ・バークレーは、“バスケの神様”の存在を引き合いに、バックスでの挑戦継続を勧めている。 『TNT』の番組『Inside the NBA』でシャキール・オニールやケニー・スミスの解説者陣、ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンと議論を交わしたバークレーは、「優勝したければビッグマーケットへ行けという意見は嫌いだね」とアデトクンボについて見解を述べた。
「テレビなどでは、『もし3年間チャンピオンシップを獲得できなかったら、他のスターのいるチームに行くだろう』などと話している。ただ、マイケル・ジョーダンが25歳(4年目の1987-88シーズン)でブルズを去る姿を想像できるかい? 彼は28歳まで優勝していない。ヤニスは今25歳か。他の選手がいるチームに行くのではなく、選手としてさらにステップアップしてほしい。ヤニスのプレイが好きだし、ミルウォーキーで優勝してほしい。他のチームに行き優勝することもできるが、それだと価値が変わってくる。だから、ダーク・ノビツキーには本当に感心するよ。彼は(ダラス・マーベリックス一筋21年)チームを去らずに戦い続け、最終的に頂点に立った。それがいっそう彼の価値を高めている」 マイケル・ジョーダンも“バッドボーイズ”と呼ばれたデトロイト・ピストンズに苦しめられ、初めてチャンピオンリングを手にしたのは28歳。NBA入りから実に7年を要した。バークレーは“今が我慢の時”とばかりに、アデトクンボに成長を求めている。 「ヤニスは素晴らしいプレイヤーだ。ただ、昨年と今年のプレイオフでのバックスの戦い方は、ほぼ変わらなかった。彼はポストアップとシュートで上手くならなければいけない。特にもっとポストアップの回数を増やして欲しい。バックスのオフェンスは、彼にボールを渡して5人相手に得点を決めろというのは厳しい。戦力が足りないのかもしれないが、ヤニスも選手としてステップアップが必要になる」 アデトクンボは2020-21シーズン以降、バックスで悲願のタイトルを獲得できるのか。現代NBA随一の万能戦士のキャリアにも注目が集まることになりそうだ。