デトロイト・ピストンズは今季途中にフランチャイズプレイヤーだったアンドレ・ドラモンドをトレードで放出するなど再建に舵を切り、20勝46敗とカンファレンス13位に沈んだ。左膝の手術で18試合の出場に終わったブレイク・グリフィンの復活は巻き返しに不可欠だが、ドウェイン・ケイシーHC(ヘッドコーチ)も“ガラスのエース”にすべてを託す覚悟のようだ。 ハムストリングと膝の痛みで開幕10試合を欠場したグリフィンは、年明けに左膝の手術を受けて今季絶望。平均15.5得点、4.7リバウンド、3.3アシストに終わり、チームもグリフィン不在時は12勝36敗とエンジンがかからなかった。
グリフィンにはトレードの噂が付きまとうが、2020-21シーズンも3660万ドル(約39億円)の契約が残っており、本人は「調子はいい」と左膝の状態に手応えを覗かせている。75試合に出場して平均24.5得点、7.5リバウンド、5.4アシストを挙げた2018-19シーズンの水準を取り戻せれば、主軸として計算することは十分可能。『デトロイト・フリー・プレス』のオマリ・サンコファ二世記者によれば、ケイシーHCもグリフィンやベテランのデリック・ローズに役割の軽減を強いることはフェアじゃないと話しているという。 「それはブレイクのDNAじゃない。トロイ(ウィーバー新GM)と私は、彼と腰を据えて話した。我々は意見が一致していて、戦う準備ができている。ブレイクは相手を蹴散らす仕事だ。勝利のためにチームを整備するなかで、彼やデリックから役割を取り上げるつもりはない。35~36分プレイさせたとしても、ゴー・トゥ・ガイの役割を奪えばブレイクにとってはひどい仕打ちでしかない」 20歳でNBA入りしたグリフィンも来年3月には32歳。過去の故障歴を踏まえれば、残されたキャリアは決して多くない。それでもグリフィンは前だけを見据え、「毎日ハードに練習して、試合を観て勉強する。様々な視点から自分を成長させるだけだ」と語っている。 来たる2020-21シーズン、ピストンズの命運はグリフィンが健康体を維持し、ハイパフォーマンスを見せられるかに懸かっている。