皆さんお久しぶりです。本格的に夏が来ましたが、いかがお過ごしでしょうか? 僕は7月に、横浜ビー・コルセアーズから広島ドラゴンフライズに移籍しました。横浜ではルーキーシーズンから3年間プレーさせていただきました。チームを勝たせられるような選手になると意気込んで始めたプロキャリアでしたが、なかなか上手くいかないことだらけでした。ただ、そんな中でもたくさん試行錯誤して、挑戦し続けた日々は必ず将来の為になったと思います。どんな時も支えてくれた横浜のブースターの方々には感謝の気持ちで一杯です。 広島には7月上旬に引っ越しして、ようやく落ち着きました。実は父方の祖父が広島の出身で、母親は隣の山口県出身と、縁がある土地なんです。街はコンパクトでどこへ行くにも近くて、凄く住みやすいです。広島は自然と街がちょうどいい具合に融合しています。家の近くには平和記念公園があり、毎日その前を通ります。車を少し走らせれば、世界遺産で日本三景の宮島があります。初めての地方での生活になりますが、歴史を身近に感じさせてくれる街と、温かい人が多い広島県がもうすでに大好きです。 トレーニングの方も充実していて、毎日いい環境で取り組めています。プロになって初めてできた同期のチームメイト、岡本飛竜選手とよくワークアウトや食事などを共にしています。広島に来た一番の理由は、もう一度バスケットボールに集中して向き合い、チームでも個人でもどんどん挑戦して、選手として、人として更に上のレベルへ行くためです。毎日を大切に、日々挑戦していきたいと思います。まだファンの方々と会う機会がないのですが、いつか会える日まで、しっかりと準備をしていきます。
ようやくNBAも再開しましたね。無観客の中で長い中断期間後に選手達がどのようなパフォーマンスをするか気になりましたが、今のところそんな事は関係なく素晴らしい試合の連続です。引っ越して家にいる事がかなり増えたので、NBAを観るのが日課になりました。 今日は1人、注目選手を挙げたいと思います。現在イースタン・カンファレンス4位、マイアミ・ヒートに所属するフォワード、背番号55のダンカン・ロビンソン選手です。彼は現在3ポイント成功率でリーグ3位の44.5%、3ポイント成功本数は1位のジェームズ ハーデン選手(ヒューストン・ロケッツ)の285本に次ぐ2位で、257本決めています。リーグ再開後も順調に記録を伸ばし、好調を維持してヒートの中心選手として活躍中です。綺麗なシュートフォームと素晴らしいフットワークから放たれる3ポイントは芸術で、自分も参考にしている選手の1人です。 実はダンカンとはとても長い付き合いで、19才で留学した直後から交友関係があります。毎週のようにワークアウトをしたり、一緒に地域リーグの試合に出たり、プライベートでも一緒にいました。まだ英語の話せなかった自分にとても優しくしてくれて、英語やアメリカの文化などたくさんの事を教えてくれたのを覚えています。
当時から長身で外角のシュートが上手でしたが、高校卒業後にディビジョン1の大学に進学できず、進んだのはディビジョン3の大学。そこでの活躍が名門ミシガン大学の目に留まって、ディビジョン1へのトランスファー(転校)が決まりました。そこからも苦労は続きましたが、2018年にドラフト外でヒートに入団し、Gリーグから這い上がって、今ではNBAでスターターとして大活躍中です。 強豪校に進学できずとも努力を続け、成功を収めたダンカンを見ていると、自分ももっともっと頑張らなきゃという気持ちになります。また明日も彼の試合を観て、自分も目標に向かって頑張りたいと思います。誰からも無理だと言われてもやり続けた彼のように……頑張れ俺! 頑張れダンカン!
田渡 凌(たわたり りょう):広島ドラゴンフライズ所属のPG。プレイメーク力と得点力を備えたBリーグ随一の司令塔。日本バスケットボール選手会の副会長を務めたり、リアリティ番組『テラスハウス』への出演などコート外でも活躍。東京都出身。ドミニカン大学カリフォルニア校卒業。1993年6月29日生まれ。180cm・80kg。