アトランタ・ホークスのトレイ・ヤングは2年目の今季、リーグ4位の平均29.6得点、同2位の平均9.3アシストを記録するなど大ブレイクし、オールスター初出場も果たした。その成長ぶりは目を見張るものがあるが、22年間の現役生活にピリオドを打った大ベテランのビンス・カーターのアドバイスによる部分も大きかったという。 『Clutchpoints.com』のジョセフ・セルバンテス記者によれば、ヤングはNBA史上初めて4つの年代(1990、2000、2010、2020)でプレイした鉄人カーターから、“スターの心構え”を伝授されていたという。
「彼はオールスター選出後にベストアドバイスのうちのいくつかをくれた。ここからオールスターレベルでパフォーマンスを続けることが期待されるぞ、と言われたよ。ただ、それに関して気にするなとも言っていた。勝利と、どうチームを次のレベルに押し上げるかにフォーカスしろとね。彼のようなベテランの選手が、お前はチームを上のステップに導ける男になれると、言ってくれたのは本当に嬉しかったよ」 1998年のNBAドラフト1巡目5位でゴールデンステイト・ウォリアーズに指名されたあと、トロント・ラプターズへトレードされたカーターは、瞬く間にリーグを代表するスーパースターとなった。ニュージャージー・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)、オーランド・マジック、フェニックス・サンズ、ダラス・マーベリックス、メンフィス・グリズリーズ、サクラメント・キングスと渡り歩き、ヤングが新人だった2018-19シーズンにホークスへ移籍。近年は全盛期の爆発的なプレイこそ影を潜めたが、ベンチから若いチームメイトたちを鼓舞し、ファシリテーターぶりを発揮した。 カーターはキャリアで優勝リングを獲得できなかったが、「それは僕の興味があることじゃない。僕がやりたかったのは、自分が手助けできると感じるチームの一員となって、何分かプレイすることだった」と、己の哲学を最後まで貫き通した。 ホークスは今季20勝47敗でイースタン・カンファレンス14位に沈み、3年連続でプレイオフ進出を逃した。カーターの言うように、ヤングがチームを勝利に導ける選手になった時、稀代の攻撃的ポイントガードはさらなる高評価を受けるだろう。