“無記名”ユニフォームで試合に臨んだヒートのジミー・バトラー「誰もが同じ権利を持っていることを伝えたかった」

8月1日(日本時間2日)に行われたマイアミ・ヒート対デンバー・ナゲッツの試合開始直前に、ヒートのジミー・バトラーが審判からユニフォームの着替えを命じられる一幕があった。 バトラーは、ユニフォームの背中に背番号しか記載されていないユニフォームを着て試合に出場しようとしたが、ユニフォームには自分の名前か、もしくはリーグが指定した社会正義に関するメッセージのどちらかを記載することがルールで定められているため、審判はバトラーにユニフォームの着替えを命じた。 バトラーはその指示に応じてユニフォームを着替え、試合は滞りなく開始したが、試合後の会見では「(なぜ着替えを命じられたのか)わからない。だが、別に気にしていない。俺は、背中に名前が記載されていないユニフォームで試合に出場しようとしたが、チームメイトが今日の試合で俺を必要としていると思ったので、着替えることにした。次の試合でも同じことをするかどうかは、まだ決めていない。名前が記載されていないユニフォームでプレイすることを、リーグが承認してくれることを願っている」とコメントしたと、『ESPN』のニック・フリーデル記者は報じている。

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背中に名前を記載していないユニフォームを着用しようとした理由について、バトラーはシーズン再開前の会見で「俺は、ユニフォームの背中には、社会正義に関するメッセージも、自分の名前も記載しないことを決めた。メッセージも名前も記載しないことが、俺自身のことを表していると思ったからだ。もし俺が今の自分ではなかったとしたら、他の黒人たちと何も変わらなかったはずだ。俺はNBA選手だからこそ、背中に名前を記載しないことで、誰もが同じ権利を持っていることを伝えたかった。それが、黒人たちに関する俺の気持ちだ」という独自の見解を示していたと、フリーデル記者は伝えている。 また、この試合では、試合前の国歌斉唱中にヒートのマイヤーズ・レナードだけが片膝をつかなかったことも話題となった。その理由についてレナードは「Black Lives Matter運動は支持しているが、僕の兄弟は軍隊に所属しており、彼らが常日頃から国防のために戦っていることを知っているので、彼らをサポートしたいと思った。僕は全ての人類を心から愛している。僕は、あらゆる物事に関して文字通り白黒つけなければならない今の世の中が、本当に理解できない。国歌斉唱中に片膝をつかなかったからといって、他のみんなに賛同していないわけではない」と説明したと、『AP通信』は伝えている。 『AP通信』によると、レナードはこの試合までに何日も眠れない夜を過ごして悩み続けたそうだが、ベテラン選手のユドニス・ハズレムの助言によってかなり勇気付けられたという。 国歌斉唱後に、レナードと最初にフィスト・バンプを交わしたハズレムは、レナードの決断について「彼は俺たちの兄弟として、共にコートに立った。それは、彼の強さと協調性を表しているし、彼が俺たちと同じ問題について取り組んでいることも表している。『なぜ彼は他の選手と同じことをしないんだ?』と言う人もいるかもしれない。だが、彼は俺たちの横に立ち、俺たちをサポートし、俺たちと共にいるんだ」とコメントしたと、『AP通信』は伝えている。

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