シカゴ・ブルズが最後に優勝を飾った1997-98シーズンを追跡したドキュメンタリー10部作『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』は、世界中で大きな話題となった。同時にジョーダンの“唯我独尊スタイル”が波紋を呼んだが、ロサンゼルス・クリッパーズのポール・ジョージは「敬服する」とリスペクトを示し、神様を彷彿させる選手としてラッセル・ウェストブルック(ヒューストン・ロケッツ)の名前を挙げた。 自分に厳しいジョーダンは、チームメイトに対しても高いレベルを求めた。スティーブ・カー(現ゴールデンステイト・ウォリアーズ・ヘッドコーチ)と掴み合いの喧嘩騒動を起こしたのは有名な話で、ある同僚からは「暴君」とも言われていた。しかし、それもすべては勝利のため。たとえカードゲームだろうと負けるのを嫌うほど、競争心にあふれる選手だった。 『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者からジョーダンの姿勢について問われたジョージは、「大きな事態にまで発展するとは思わない。俺はコービー(ブライアント)の飽くなき勝利への思いを参考にして、努力してきた。だからMJには敬服するし、彼のような選手と一緒にプレイできたら最高だね」と回答。負けん気が強く、常に死力を尽くすウェストブルックの姿勢は、ジョーダンのそれに匹敵すると持論を展開した。 「俺は(ドキュメンタリーの)MJを観て、ラスと一緒にプレイした時と同じ傾向にあると思った。ラスはなんとしてでも勝利を手にしたい選手で、チームメイトとして大好きだった。彼はコートに立てば毎試合勝ちたいと思い、すべてを捧げるような男だった。あれには本当に感心した」 ジョージは2017-18シーズンから2年間、サンダーで平均21.9得点、28.0得点と好成績を残した一方で、ウェストブルックも2年連続で年間トリプルダブルを達成。プレイオフではいずれも1回戦敗退の憂き目に遭い、チャンピオンシップ獲得とはならなかったが、ウェストブルックの闘争心と情熱には大いに刺激を受けたようだ。