ミネアポリスで5月25日(日本時間26日)に起こったアフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイド氏の死亡事件が引き金となり、全米各地で抗議デモが起きるなど反響を呼んでいる。 フロイド氏はミネアポリスの警官に手錠で拘束された際、無抵抗だったにもかかわらず白人警官に膝で首を圧迫され続け、のちに死亡したとされている。この事件が新たな人種差別問題の火種となり、各地で大規模な抗議デモに発展して大きな社会問題と化している。 シャーロット・ホーネッツの筆頭オーナーであるマイケル・ジョーダンは5月31日(同6月1日)、「悲しみ、痛みと憤りを感じている。私はこの国に染み付いた有色人種に対する、人種差別や暴力に立ち上がる人たちを支持します。我々はうんざりするほど経験してきました」と声明を発表。また同日、NBAのアダム・シルバー・コミッショナーもオフィス職員へ送っていた内部文書が『ESPN』の取材によって明らかになっている。 シルバー・コミッショナーはフロイド氏の家族と友人に哀悼の意を表すとともに、「我が国には決して癒えることのない傷があると気づかされる。人種差別、警察による残虐行為と人種的不公平はアメリカの日常生活の一端として残っており、無視することはできない」と意思表明した。 「私はNBAとWNBAファミリーの多くのメンバーに心を動かされた。正義を要求するために声を上げ、平和デモを促して重要な改革に取り組む。我々はチーム選手とともに努力を続けていく。組織として、意味のある変化をもたらすために自分たちですべてを行わなければならない」 NBAプレイヤーでは、ボストン・セルティックスのジェイレン・ブラウンがマサチューセッツから車で15時間かけてアトランタでのデモに参加。サンアントニオ・スパーズのロニー・ウォーカー四世も、地元でのデモ活動で発生した被害を清掃するボランティアを務め、ほかのボランティアにペットボトルの水を手渡したり、建物の壁に描かれた落書きを消す作業をサポートした。 “キング”ことロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズも「アメリカはなぜ俺たちも愛してくれないのか?」とツイート。インスタグラムには「I can’t breathe(息ができない)」と書かれたTシャツを着ている写真を投稿するなど、警察官の差別的な行動に異議を唱えており、社会問題に対する選手たちのアクションは広がっていきそうだ。