2020年のバスケットボール殿堂入り選手は、今年1月にヘリコプター墜落事故で急逝したコービー・ブライアント、ティム・ダンカンやケビン・ガーネットら9人が名を連ねた。コービーとダンカンはそれぞれ、ロサンゼルス・レイカーズとサンアントニオ・スパーズ一筋のキャリアを送ったが、「チームを作るならどちらを選ぶ?」というテーマに、スティーブン・ジャクソンは元同僚のダンカンではなく、コービーを選んだ。 コービーは1996年のドラフト1巡目13位でNBA入り。“怪物センター”シャキール・オニールとの強力デュオでレイカーズの3連覇に貢献し、単独エースとなったその後も2度のタイトルを獲得している。歴代4位の通算3万3643得点を誇るスコアラーは今年1月26日(同27日)に不慮の事故に巻き込まれて命を落としたが、数々の功績が認められて殿堂入りを果たした。 一方のダンカンは、コービーがNBA入りした翌1997年のドラフト全体1位指名でスパーズに入団。デビッド・ロビンソンとの“ツインタワー”、トニー・パーカー&マヌ・ジノビリとの“ビッグ3”で計5回の優勝リングを手にし、「史上最強のパワーフォワード」とまで称された。 両者とも殿堂入りに値するスーパースターだが、2002-03シーズンにダンカン、デビッド・ロビンソン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリらとリーグ優勝を経験した元NBA選手のジャクソンは、『The Bill Simmons Podcast』で「チームを作るうえで選ぶとしたら?」という質問に、持論を展開した。 「個人的にはコービーだ。ティム・ダンカンじゃない。コービーの姿勢とアプローチでチームを牽引してほしい。ティムは積極的に発言するタイプではなかったから、ポップ(グレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチ)や俺がその役割をこなさないといけなかった。俺はサポート役にならないといけなくて、正直イライラしたよ」 ダンカンは基本に忠実なプレイで“ビッグ・ファンダメンタル”の異名を取り、常に冷静かつ安定したパフォーマンスを続けた。一方であまり多くを語らない寡黙なタイプゆえに、2歳年下のジャクソンからすれば、リーダーとしてもっと力強くチームを牽引してほしかったようだ。 「コービーはチームを優勝に導くために必要なすべてを、その体ひとつでもたらすことができた。ポップはティムの周りに異なるパーソナリティの選手を置いて、チームを調整していた。コービーはどんな状況に置いても対応できるし、周囲にメンタリティを注入してより多くの成果を与える。もちろんティムも素晴らしいけど、俺はコービーを選ぶ」 現役時代から歯に衣着せぬ発言で知られていたジャクソンだが、今回も実力を認める元同僚ダンカンを選ばなかったことで注目を集めるかもしれない。