2月24日(日本時間25日)、ヘリコプター墜落事故で亡くなったロサンゼルス・レイカーズの元スター選手のコービー・ブライアントと娘のジアナの追悼式が、ロサンゼルスのステイプルズ・センターで行われた。 追悼式では、ブライアントの妻バネッサをはじめ、マイケル・ジョーダン、シャキール・オニール、ロブ・ペリンカ、ダイアナ・タラージら故人にゆかりのある人々が登壇してスピーチをしたほか、ビヨンセ、アリシア・キーズ、クリスティーナ・アギレラによる追悼の歌も贈られた。 ブライアントとも親交があった有名司会者のジミー・キンメルの紹介で、最初にスピーチを行ったバネッサは「神は、彼ら2人が一緒でないと天国に行けないことを知っていたのでしょう。コービーはとても素晴らしい夫で、私のことをとても愛してくれました。彼は炎であり、氷であり、時にはそれらとは真逆な存在でもありました。彼は私の全てだったのです。ベイビー、天国でジジのことをよろしく。私は、こちらでビビとココの面倒を見ます。私たちは、今でも最高のチームです」と語った。 続いて登壇した、ブライアントの憧れの存在でありメンターでもあったジョーダンは、「彼は素晴らしいバスケットボール選手であり、ビジネスマンであり、ストーリーテラーであり、父親だった。彼は、自分の全てをコート上で出し尽くした。私とコービーが親友であることに驚く人もいるかもしれない。ですが、私たちはとても親しい友達でした。彼は私の弟のような存在でした。私は、彼を知れば知るほど、彼にとって最高の兄になりたいと思うようになりました。コービーが亡くなった時、私の一部が死にました。きっと、ここにいる全ての人々と、世界中の人々の一部も死んだはずです。ですが、この想いから学び、生きていきましょう。弟よ、安らかに」と語り、今まで語られることのなかった様々な秘話を明かしたほか、「この泣き顔がまたネタに使われそうだね」というジョークで会場を和やかな空気に変えた。 また、ブライアントと共にレイカーズで3度の優勝を経験したオニールは、「みんなが知っている通り、俺とコービーは複雑な関係だったが、俺たちはビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーと同じぐらい最高のデュオだった。俺たちは、いつだってお互いを刺激し合って、最高のバスケットボールをしようと考えていた。俺たちが、レイカーズの最後のスリーピート達成チームであることを誇りに思っている。コービーはパスをせずに自分でシュートすることで有名だった。俺がコービーに『チームに”I(私)”は無いんだぞ』と言うと、彼は『あぁ、だが”ME(俺)”はある』と答えた」と語り、会場を笑いに包んだ。 そして、2時間におよぶ追悼式は、アカデミー賞を受賞したブライアント制作の短編アニメーション「Dear Basketball」で終了した。 レイカーズのエースであり、NBAのスーパースターだったブライアントの死は、ロサンゼルスの人々の心に大きな穴を開けた。『ESPN』のラモーナ・シェルバーン記者によると、ブライアントが亡くなってから現在に至るまでに、ロサンゼルスの80箇所以上にブライアントの壁画が描かれたそうだ。