開幕前にエリック・パスカルを新人王候補として取り上げることを誰が予想でしたであろうか。 ゴールデンステイト・ウォリアーズからドラフト全体41位で指名されたパスカルが、野戦病院と化したチームで得たチャンスを最大限に生かして輝きを放っている。 パスカルは直近4戦で平均21.0得点、6.3リバウンド、FG成功率52.7%を記録(日本時間11月7日時点)。自身の誕生日に34得点、13リバウンドと爆発してチームを勝利に導いたポートランド・トレイルブレイザーズ戦での活躍は、チェイス・センターに集ったウォリアーズファンのハートを掴むと同時に、自らを新人王候補へと押し上げた。 優勝争いから脱落したと見られるチーム状況もあり、このビラノバ大出身のルーキーが多くの出場時間を得る可能性は高く、今後も新人王争いに絡んでくるだろう。 ランキング上位5選手は以下の通り。(データはすべて日本時間11月7日時点のもの) 1.ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ) ほかのルーキーが現実的な成績を残すなか、モラントは着実に新人王筆頭候補としての地位を確立している。第2週は3試合に出場し、平均24.3得点、4.0リバウンド、5.7アシストを記録。FG成功率54.9%、3ポイント成功率60.0%とシュートの調子も良かった。ジェームズ・ハーデンも、「彼はビースト。緊張して縮こまる選手がいるなかで彼にはまったくそれがなく、常にアタックモードなんだ」と直接対決時に23得点を記録したモラントを称賛している。 2.エリック・パスカル(ゴールデンステイト・ウォリアーズ) キャリア最初の先発3試合でパスカルは合計79得点を記録しているが、これはジェレミー・リンがニューヨーク・ニックスで89得点を記録した2012年以降では最多の数字。日本時間7日のロケッツ戦では比較的大人しかったが、それでも19得点、6リバウンドをマークしている。 3.PJ・ワシントン(シャーロット・ホーネッツ) 第2週に2連勝を飾ったホーネッツにおいて、重要な役割を果たしたのがワシントンだ。全体12位指名の新人は、93対87で勝利したウォリアーズ戦で11得点、5リバウンド、2スティールを記録。その次戦のペイサーズ戦では、24分の出場で16得点を挙げて、チームの連勝に貢献した。またその2試合では類稀な身体能力を駆使した破壊力満点のダンクを2本披露している。ここまで4勝3敗と勝ち越すホーネッツだが、ワシントンがその大きな要因となっていることは間違いない。 4.RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス) ルーキートップの出場時間(平均36.8分)を誇るバレットだが、現状疲れを感じさせるような様子はまったくない。8試合を終え、平均17.9得点(新人3位)、6.1リバウンド(同2位)を記録。第2週はシュートが不安定だったが、苦戦が続くニックスを牽引するスターになる可能性を示している。 5.ケンドリック・ナン(マイアミ・ヒート) 日本時間1日のホークス戦で自己最高の28得点を叩き出すパフォーマンスを披露したナンは、キャリア最初の5試合で合計112得点を挙げて、ドラフト外の新人における同期間での新記録を樹立した。その後の2試合ではFG成功率25.0%と苦戦するが、5位に入るには十分の活躍を続けている。