先週、カワイ・レナードとポール・ジョージがロサンゼルス・クリッパーズでコンビを結成したことが報じられ全米を驚かせていた。しかし、もっと驚きなのは、あの無口なレナードがジョージのトレードを仕向けていた以外にもFA(フリーエージェント)市場でスーパースターのリクルートに関与していたと報じられたことだった。 ESPNのザック・ロー記者によれば、レナードはジョージの他にカイリー・アービングとケビン・デュラントをクリッパーズに勧誘していたという。 また、ESPNのロマナ・シェルバーン記者によると、デュラントはレナードから電話をもらい、彼とともにクリッパーズと契約しないかと誘われたそうだ。その電話は、レナードがデュラントを対戦相手として長年尊敬していたこと、そして2人が組めば互いを補い合い、また相乗効果も生まれるといった内容だったようだ。 個人的な関わりが無かったレナードからの予想外の電話にデュラントは喜んでいたと同時に驚いたという。しかし、最終的にデュラントはアービングと組み、ブルックリン・ネッツとサインしている。 デュラントとアービングのリクルートに失敗したレナードは、次なるターゲットをオクラホマシティー・サンダーに所属していたジョージへと切り替えたという。ジョージと関りの深い匿名の関係者は、レナードについて「静かな男なのに立派なリクルーターだ」とシェルバーン氏に語っていたそうだ。 レナードはジョージにトレードをプッシュするよう説得し、ジョージと自分がクリッパーズに入団できるよう、クリッパーズにシャイ・ギルシャス・アレキサンダー、ダニーロ・ガリナリ、そして複数のドラフト1巡目指名権を放出させた。レナードがロサンゼルス・レイカーズではなくクリッパーズ入団を決断したことで、レイカーズに偏りかけていたリーグ全体のパワーバランスが安定したと言われている。 レナードの一手により、レイカーズが3人のスーパースターを有する「スーパーチーム」化することを防いだ。そして、クリッパーズ、レイカーズ、ミルウォーキー・バックス、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、デンバー・ナゲッツ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、ユタ・ジャズ、ヒューストン・ロケッツ、ゴールデンステート・ウォリアーズなど、数多くの球団のどれが優勝しても不思議では無いぐらいに来期のリーグ全体のバランスが良くなったと言えるだろう。 文:ビタラフ アドル