【再掲】「馬場さんの道をすごく意識している」18歳の神童・河村勇輝インタビュー(後編)

「NBA Rakuten」では、2020年3月に当時Bリーグ・三遠ネオフェニックスに特別指定選手として在籍していた河村勇輝にインタビューを行なっていた。NBAファンだったという幼少期の話だけでなく、当時から冷静に状況を見つめ、堅実に自分の夢を叶えようとする今と変わらない実直な姿が見えてくるはずだ。※インタビュー後編。プロフィールやデータは公開当時のまま。


ヤングのステップの使い方に注目

前編では三遠ネオフェニックスの一員として過ごした2か月について、そして自分のルーツともいえる90年代のNBAについて語った河村勇輝。後編では、自身の将来について聞いた。 ――河村選手はパスセンスが高いですが、NBAからインスピレーションを得ているのですか? 河村: NBAのパスや、高校時代の田臥選手のパスが自分の原型です。 ――自分のプレイにも役立てるという意味で、河村選手が現代のNBAで見たいと思うチームはどこですか? 河村:アトランタ・ホークスです。特にトレイ・ヤングですね。 ――ヤングのどういったところに注目しているんですか? 河村:身長も身体能力もあまり高いプレイヤーではないけど、テクニックで解決してるところなんかは、自分でも真似できるなと思っています。あとは足のステップの使い方にも注目しています。一気に開いたり狭めたりとか、そういった細かいところを見てますね。 ――そういう点は日本の選手とは違うものなのでしょうか? 河村:全然違いますね。シュートのタイミングとかは、ヤングなどにしか出来ないようなものもありますし。そういう点はよく見てます。

河村が参考にしているトレイ・ヤング⑪。試合中に”ナツメグ”(相手の股を通すドリブル)を決めるなど若手随一のテクニシャンだ

河村が選ぶNBA最強のベスト5とは

――河村選手が選ぶNBA最強のベスト5はどんなメンバーですか? 河村:えぇー! それは難しい(笑)。まずはポイントガードかぁ。だって今はレブロン(ジェームズ)がポイントガードやってる時代じゃないですか。おかしいですよ!(笑)。あの体格でポイントガードやってるのかって思うと。それでもやっぱりガードはジョン・ストックトン(元ユタ・ジャズ)か、ジェイソン・キッド(元ニュージャージー・ネッツほか)ですかね。このあと選ぶ選手は点が取れる選手たちになると思うので、チームをまとめるって考えたら上手くアシストできる人。マジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)でもいいなぁ。 ――なかなか難しいですよね。 河村:ポイントガードは1人ですよね? じゃあストックトンで。 ――シューティングガードはジョーダン? 河村:SGはジョーダンで不動ですね。で、3番はレブロン。4番はセンターだけど(アキーム)オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)がいいですね。 ――渋いなぁ(笑)。 河村:オラジュワン好きだったんですよ! 今のNBAだと4番は誰だろう。あ、ヤニス(アデトクンボ、ミルウォーキー・バックス)とかヤバいですね。4番はヤニスとして、5番はシャック(シャキール・オニール、元ロサンゼルス・レイカーズほか)かなぁ……。 ――昔はすごいセンターがいっぱいいましたもんね。 河村:カリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか)とかですか? ――いやいや、ジョーダン世代であればパトリック・ユーイング(元ニューヨーク・ニックス)とか、シャック、デイビッド・ロビンソン(元サンアントニオ・スパーズ)とか。 河村:そうか。ジャバ―までいくと、もう昔の昔まで遡る感じですもんね(笑)。あ、ユーイングのシュートをジョーダンが後ろから跳んでブロックするの分かります? ――エンドラインでのシーンですね。本当に相当観てますね(笑)。 河村:しかしセンターか。実はあまりシャック好きじゃないんですよね。ロビンソンいいですよね。彼も1990年代ですもんね。いや、やっぱりシャックにします! プレイスタイル的にはあまり好きではないけど、強いんで。支配力がすごいからシャックで。

アキーム・オラジュワン(左)とシャキール・オニール(右)は95年のNBAファイナルでマッチアップしている

日本代表に入ってから海外挑戦したい

――NBAを現地で見られたことはありますか? 河村:前にアメリカへ行った時に、代表チームは見ました。ロサンゼルスでアメリカ対スペインの親善試合を観戦しました。NBAは観れませんでした。 ――もしどこでも観に行っていいと言われたら、どのチームが観たいですか? 河村:今だったらレイカーズですね。レブロン、アンソニー・デイビスらがいる、あのスーパースター軍団。それに、レブロンを一回観てみたいっていうのもあります。レブロンの迫力を生で感じたいですね。 ――今そのNBAで、河村選手より少し年上の八村塁選手(ワシントン・ウィザーズ)や渡邊雄太選手(メンフィス・グリズリーズ)、Gリーグでも馬場雄大選手(テキサス・レジェンズ)がプレイしています。馬場選手は日本で活躍してからの挑戦ということもあり、自分とNBAとの距離が近くなったと感じることはありますか? 河村:全然まだまだですね。やっぱり塁さんは能力もフィジカルもありますし、馬場さんもサイズがあって能力もある。でも日本代表を背負って戦うことにすごい憧れを持っているので、自分も日本代表に入ってから海外挑戦をしたいなと思っています。 ――日本の大学、Bリーグを経てアメリカに渡ったという馬場選手が歩んだルートをイメージしていますか? 河村:そうですね。自分は馬場さんの道をすごく意識している部分があるので。大学も入ってみないと分からないですし、入る前から言うのも少し違うと思いますが、馬場さんの大学を途中でっていうルート(注:馬場は筑波大学在学中にアルバルク東京と契約)は自分もいいなって思います。

「BリーグからNBAへ」と公言していた馬場雄大の歩みが、河村にとって大きな指標となっているという

――同世代でも田中力選手とか、富永啓生選手が海外で挑戦しています。連絡を取ったりはしますか? 河村:取ります。現地の話とかいろいろ聞きますね。「アメリカってどうなの?」とか。 ――将来的に海外挑戦をするにあたって必要になるであろう英語とかはどうですか? 河村:全然ですね。ただ大体は聞き取れるようになってきたので、あとは喋るところ。ネオフェニックスでは外国人選手や監督が基本英語なので自然と入ってくるんですけど、トミー(富永選手)とかに「英語大丈夫なの?」と聞くと、「人によってイントネーションが違うから聞き取れなかったりする」って言ってましたね。 ――そういう話を聞いていると、今すぐ海外でプレイしたくなったりするのでは? 河村:今は、自分はBリーグでレベルアップできていると思っています。こっちにはこっちのメリットがありますから。 ※写真提供(ヘッダーのみ):三遠ネオフェニックス

河村勇輝:類い稀なスピードと得点力を備えるポイントガード。福岡第一高等学校在籍時にウインターカップで2度、インターハイで1度優勝に導いた。2020年1月20日、特別指定選手としてBリーグ、三遠ネオフェニックスに入団。11試合で平均12.6得点、2.0リバウンド、3.1アシストを記録した。4月から東海大学に進学。山口県出身。2001年5月2日生まれ。172cm・63kg

▶インタビュー前編はこちら:「90年代NBAにすごい刺激を受けていた」18歳の神童・河村勇輝インタビュー

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