日本時間10月27日(金)午前11時からフェニックス・サンズとロサンゼルス・レイカーズの一戦が行われる。レイカーズと3年の契約延長をした八村塁と、サンズと2年契約を結んだ渡邊雄太の日本人プレイヤー2人の今シーズン初対決となる。 昨シーズン、ウェスタン・カンファレンス4位だったサンズ(45勝37敗)はカンファレンス・セミファイナルでデンバー・ナゲッツに敗退。一方ウェスタン・カンファレンス7位のレイカーズ(43勝39敗)はカンファレンス・ファイナルまで進出するもこちらも後に優勝を飾ったナゲッツに敗れている。 各チームのGM(ジェネラルマネージャー)を対象に行われたアンケート調査では、今シーズンのチャンピオン予想4位にサンズが入った。レイカーズは圏外だったもののウェスタン・カンファレンスのトップチーム予想で3位に入っており、両チームとも評価が高く優勝が期待されるチームと言えるだろう。
オフシーズンにクリス・ポールとのトレードで、ワシントン・ウィザーズからブラッドリー・ビールを獲得したサンズ(ポールはその後ウォリアーズにトレード)。これによりケビン・デュラント(昨季平均29.1点)、デビン・ブッカー(同27.8点)、ビール(同23.2点)と、3人で合計80点を超える超攻撃型のビッグ3が誕生した。豊富な得点パターンを誇るビールの加入により昨シーズン17位だったチーム平均得点の向上が期待される。 ミドルレンジを得意とするデュラント、ブッカーを中心にプルアップシュートの得点がリーグ3位だったサンズだが、ドライブによる得点はリーグ28 位と攻撃に偏りが見られた。ビールは昨シーズン、ドライブによる得点が10.0点でリーグ10位とNBAでも屈指のドライブ力とフィニッシュ力を兼ね備えており、サンズの攻撃バリエーションをより多彩なものにしてくれるだろう。 さらにそんなビッグ3の周りを固める選手の補強も見逃せない。昨シーズン、3ポイント成功率44.4%の渡邊雄太をはじめ、エリック・ゴードン(同37.1%)、グレイソン・アレン(同39.9%)ら3ポイントの名手を獲得。ビッグ3にディフェンスが集まることが予想されるだけに彼らの3ポイントはチームの大きな武器となるだろう。また、2019-20シーズンに就任1年目でレイカーズをチャンピオンに導いたフランク・ボーゲル新HC(ヘッドコーチ)の手腕にも注目だ。
昨シーズン、長い歴史を誇るNBAに偉大な記録が生まれた。長らく破られることのなかったカリーム・アブドゥル・ジャバーの3万8387点という通算得点記録を、レブロン・ジェームズが34年ぶりに更新した。そんな“キング”ジェームズは昨シーズン終了後に引退をほのめかすコメントも残すも、その後21年目のシーズンを戦うことを表明。レイカーズのレジェンド・マジックとコービーに並ぶ自身5度目の優勝を目指す。 チームはオフシーズンにオースティン・リーブス、八村、ディアンジェロ・ラッセルらとの再契約を結び、主力の引き留めに成功。昨シーズンからコアメンバーは変わらず、チームケミストリーに大きな心配はないだろう。さらにゲイブ・ビンセント、ジャクソン・ヘイズ、クリスチャン・ウッド、トーリアン・プリンスらスターター級の選手を獲得し選手層も厚くなった。課題だった3ポイント(昨季成功率34.6%/リーグ25位)もプリンス(38.1%)、ウッド(37.6%)らアウトサイドから計算できる選手が増えたことで改善が期待されている。先述のGMアンケート調査でも「オフに最も強化されたチーム」の項目で4位にランクインするなど、他チームの警戒度は高くなっているに違いない。
両チームの対戦において、触れないわけにいかないのが渡邊と八村の日本人選手2人の対決だ。過去の直接対決では渡邊が所属するチームが5勝0敗。昨シーズンは2試合で直接対決が実現し、平均13.0点を記録した渡邊に対し、八村は平均9.0点とやや遅れをとっている。 とはいえ、今年1月31日の試合では互いに2ケタ得点を記録し、日本人ファンにとって最高の1日を演出してくれた。互いに選手としてレベルアップして迎える6度目の直接対決では、どんなプレイの応酬を見せてくれるだろうか。 ■フェニックス・サンズ対ロサンゼルス・レイカーズ 日時:日本時間10月27日(金)午前11時 会場:クリプト・ドットコム・アリーナ 解説:佐々木クリス / 実況:加藤暁