NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
サクラメント・キングスは現在、NBA歴代ワーストとなる16年連続プレイオフ不出場と長いトンネルから抜け出せずにいる。悲願のポストシーズン進出を果たすべく、昨季までゴールデンステイト・ウォリアーズのアシスタントコーチだったマイク・ブラウンを新ヘッドコーチ(HC)として招聘した。過去にクリーブランド・キャバリアーズとロサンゼルス・レイカーズで合計7年間HCを務め、うち6回はプレイオフ出場。ウォリアーズでは3度の優勝に貢献するなど、経験豊富な指揮官はチームにどのような変革をもたらすのか。 ロスターに目を向けると、サマーリーグMVPにも輝いたキーガン・マレーをドラフト全体4位で指名。フリーエージェント市場ではスコアラーのマリーク・モンク、トレードでシューターのケビン・ハーターを獲得した。新戦力はいずれもアウトサイドシュートが得意で、昨季リーグ24位だった3ポイント成功率の向上が見込めるだろう。 チームにはディアロン・フォックスとドマンタス・サボニスのコアデュオに加え、ベテランのハリソン・バーンズ、守備職人のデイビオン・ミッチェルがすでにおり、選手層は厚くなった。「私は楽しむためでなく、勝つために来た」と就任会見で強い意気込みを見せたブラウンHC。16年連続負け越しという負の連鎖を断ち切り、ドアマットからの脱却を目指す。
キングスの攻撃の核となるのはフォックスとサボニスだろう。今年2月にトレードで加入したサボニスは移籍後15試合で平均18.9点、12.3リバウンド、5.8アシスト、12試合でダブルダブルを記録し、インサイドの柱として活躍した。また、フォックスもサボニスと共にプレイした13試合で平均27.8点とシーズンの平均得点(23.2点)より4点以上伸ばしている。 ファンからは「フォックス&オックス(キツネと牛)」の愛称で親しまれており、ブラウンHCもこの2人のピック&ロールを試合で多用していくことを明言。2人の間で昨季以上のケミストリーが醸成されていれば、ウェストの中でも怖い存在になってくるだろう。
オフェンスではある程度の期待は持てるが、プレイオフに進出するには脆弱なディフェンスの立て直しが必須だ。平均失点(115.8点/29位)、被FG成功率(47.9%/28位)、被3ポイント成功率(37.2%)、ディフェンシブ・レーティング(114.8/27位)の主要項目全てでワースト3以内と昨季は壊滅状態だった。 指揮官は「守備が上手くなるためには時間がかかる。コミュニケーションをしっかりとって、全員が守る意識を持つことが必要だ」と、選手個々人の意識改革が必要と語っている。守備のコーチングに定評があり、昨季もディフェンシブ・レーティングでリーグ2位(106.6)になったウォリアーズの堅守構築に一役買った新HCの手腕が改めて試される。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:110.3(16位) 平均失点:115.8(29位) 得失点差:-5.5(25位) 平均リバウンド:42.9(26位) 平均アシスト:23.7(22位) 平均スティール:7.2(20位) 平均ブロック:4.5(19位) FG成功率:46.0%(20位) 3ポイント成功率:34.4%(24位) FT成功率:76.8%(18位) オフェンシブ・レーティング:109.6(24位) ディフェンシブ・レーティング:114.8(27位) ※カッコ内はリーグ順位