日本時間12月24日(現地23日)、ボール・アリーナでデンバー・ナゲッツ(15勝15敗)とシャーロット・ホーネッツ(16勝17敗)が対戦する。ナゲッツは今年4月に左膝の前十字靭帯を断裂した司令塔のジャマール・マレーは開幕から不在で、さらにマイケル・ポーターJr.(腰)とPJ・ドジアー(ひざ)も怪我で今季絶望となるも、ここまでウェスタン・カンファレンス7位と奮闘している。とりわけ眩い輝きを放っているのがニコラ・ヨキッチだ。 昨季セルビア人初のMVPに輝いたヨキッチは、今季もその賞に恥じない活躍を披露している。平均得点はランク7位(25.8)、リバウンドは2位(13.2)、アシストも11位(7.3)。そしてチームへの貢献度を示すEFFでは、次点のヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)を4.5ポイントも離している。12月は9試合で、3試合連続を含む4回のトリプルダブルを記録してチームを牽引。マイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)も「MVPをとった昨年よりもさらに高いレベルでプレイしている」と大車輪の働きを披露するエースに脱帽している。 課題の守備も年々向上し、チームの柱としてより存在感を高めているヨキッチだが、最大の武器はやはりその多彩なオフェンススキルだ。ポストプレイでは厚みのあるフィジカルと巧みなフットワークを駆使し、リーグ2位の平均5.1点を挙げるなど相手を翻弄。また、3ポイントも今季最低10試合出場、かつ平均3本以上試投しているセンターの中で5位の成功率(37.6%)を誇り、内外でどこからでも得点ができる。さらには持ち前のバスケIQの高さとパスセンスで司令塔としても機能。1人で何役もこなし、ナゲッツのオフェンスの舵取りしている。 ただ、その一方で「ヨキッチ依存症」も懸念だ。ヨキッチ出場時のネットレーティングが+13.4に対し、不在時は-15.7とその差は歴然で、「彼がベンチに下がるとチーム全体が急激に悪くなってしまう。このままだとシーズンまでもたないよ」と指揮官も大黒柱の疲労蓄積を危惧している。何でもできてしまう“ジョーカー”の負担を減らすためにも、アーロン・ゴードンやモンテ・モリスといった中堅選手の奮起に期待したい。 対戦するホーネッツも、現在3連敗中で勝率5割を切るなど、踏ん張りどころだ。注意したいのは、試合の入り方だろう。直近3戦は、合計で55-113と大きく点差をつけられている第1クォーターが鬼門になっている。 平均19.8点と今季ブレイク中のマイルズ・ブリッジスは「これは誰か一人のせいではない。チームで考えて、それを乗り越えなければいけない」と語るが、ジェームズ・ボレーゴHCは「スタメンの変更も選択肢に入れて、何か変えないといけない時期になってきた。チーム内では色々問題点を話してきたけど上手くいってない」と頭を悩ませている。悪い流れを断ち切るため、指揮官はどのような策を講じるのか見ものだ。