現在イースタン・カンファレンス1位を走るブルックリン・ネッツ(20勝8敗)は、ジェームズ・ハーデンを含め7人がリーグ規定の安全衛生プロトコル入りしている。怪我もあり、プレイ可能な選手は試合を行える最低ラインの8名と満身創痍の状態のなか、日本時間12月17日(現地16日)にバークレイズ・センターでフィラデルフィア・76ers(15勝13敗)を迎え撃つ。 戦力的に窮地に立たされるネッツだが、エースのケビン・デュラントが絶好調なのは朗報だ。13日(同12日)のデトロイト・ピストンズ戦では、今季リーグベストとなる51点と大爆発。さらに8人で戦った15日(同14日)のトロント・ラプターズ戦でも、後半から延長戦まで休みなく出場し、34点、13リバウンド、11アシストのトリプルダブルを達成する八面六臂の活躍でチームを勝利に導いた。直近3試合は平均38.7点、8.3リバウンド、8.7アシスト、2ブロックと攻守で躍動しており、シーズンを通して見ても得点ランクトップ(平均29.6点)と持ち前のスコアリング能力でチームを牽引している。 また、右足首が万全ではないなか出場を続けたラプターズ戦の試合後には「この厳しい状況で簡単に諦めることができた試合だが、今まで出場していない若手たちと一緒に戦いたかった。チームとして成長するいい機会と捉えたよ」と力強くコメント。リーダーとしても存在感を高めており、そんなデュラントをMVPに推す声は強まっている。 開幕2戦目で76ersと対戦した際は、29点、15リバウンド、12アシストのトリプルダブルを記録したが、今回は出場選手が限られるためデュラントへのマークが厳しくなるだろう。なかでもマティース・サイブルとのマッチアップは要注目だ。 昨季オールディフェンシブ2ndチームに選出されるなど、もともと守備に定評があった3年目のサイブル。しかし、その評価は15日(同14日)のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦後さらに高まっている。ウォリアーズ戦ではマッチアップしたステフィン・カリーをFG成功率15.4%(2/13)、3ポイント成功率11%(1/9)と封殺。『StatsMuse』によればカリーの3ポイントシュートを1試合で複数回ブロックしたのはサイブルが初めてで、一部では“カリー・ストッパー”と呼ばれるようになった。エースのジョエル・エンビードも「前からも言っているように彼のペリメーターディフェンスは一級品だ。最優秀守備選手賞を取る可能性を持っている」と太鼓判を押している。 身長差は12cmとデュラントとしては高さのアドバンテージを生かし、サイブルの粘り強いディフェンスを攻略したいところ。歴代屈指のスコアラーは、若きストッパーの挑戦を退け、チームを4連勝に導けるか。