ブルックリン・ネッツのケビン・デュラントは2019年夏にフリーエージェント(FA)となり、ゴールデンステイト・ウォリアーズから移籍した。ニューヨーク・ニックスが新天地として取り沙汰されたこともあったが、本人はまったくその意思はなかったという。 名門ニックスは近年低迷が続き、大型補強の要としてデュラントやカイリー・アービング(ボストン・セルティックス→ネッツ)ら大物FAの獲得を試みるも、ことごとく失敗に終わった。大都市ニューヨーク、“バスケットボールのメッカ”と言われるマディソンスクエア・ガーデンのコートに立つことはかつて選手たちの憧れでもあったが、デュラントの頭の中にその選択肢はなかったという。JJ・レディック(ニューオーリンズ・ペリカンズ)のポッドキャスト『The Old Man and the Three』で、1年前の舞台裏を明かした。
「ニックスに行くつもりはなかった。メディアが言っていただけだ」 ブロードウェイなど華やかなニューヨークではなく、マディソンスクエア・ガーデンからわずか5マイル(約8km)しか離れていないネッツの本拠地バークレイズ・センターでのプレイを選んだのは、よりバスケットボールに集中するためだったという。 「ニックスやニューヨークの救世主にはなりたくなかった。ニューヨークの“キング”になることは別に大事じゃなかったんだ。ブルックリンが俺のすべてだった。静かにバスケットボールに集中したかった。俺たちの試合はショーではないし、マディソンスクエア・ガーデンがメッカとか関係ない。ブルックリンで新しいものを築きたいと思っている」 昨年のNBAファイナル第5戦で右足アキレス腱を断裂した影響で、加入1年目の今季は全休となったデュラント。右肩の故障が癒えるアービング、スティーブ・ナッシュ新HC(ヘッドコーチ)と共闘する2020-21シーズンに真価が問われることになる。