ケンバ・ウォーカーは今季開幕前にボストン・セルティックスに移籍し、リーダーとしてチームをプレイオフ進出に導く活躍を見せている。リーグきっての名門移籍は大成功だったが、当初意中の球団はニューヨーク・ニックスだったという。 昨年オフにFAとなり、サイン&トレードでセルティックスに加入したウォーカーだが、当初は生まれ故郷の名門ニックスが“本命”だったという。『The Ringer』のポッドキャスト『R2C2』で「ニックスは君にとって本気の選択肢だった?」と尋ねられると、「正直に言えば、答えはイエスだ」と明かした。
「あの時点では間違いなく一番手だった。ニックスはボストンが名乗りを上げてくるまで、僕の中で最も優先順位が高かった。他の(有能な)選手も獲得すると思っていたからね。でも、(ニックスの補強は)上手くいかなかった」 ニューヨーク州ブロンクスで生まれたウォーカーは、ストリートバスケで技術を磨き、高校は地元のライス高へ進学。その後コネティカット大を経て、2011年のNBAドラフト1巡目9位指名で“神様”マイケル・ジョーダンがオーナーを務めるシャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)に入団した。 2年目の2012-13シーズンにレギュラーに定着し、スコアリングPG(ポイントガード)としてチームを牽引。2015-16シーズンからは平均得点も20点の大台に乗せて、一流選手の仲間入りを果たした。 キャリア8年目となった昨季、ウォーカーはキャリアハイの平均25.6得点、4.4リバウンド、5.9アシストを記録し、自身初のオールNBAチーム(3rdチーム)にも選出されている。 ウォーカーは2018年、『Bleacher Report』のインタビューで“バスケットボールのメッカ”とも言われるニューヨークについて、「ニューヨークは僕が生まれた場所。なぜ僕が今ここにいるのか、僕が僕である理由でもあり、僕がプレイする理由でもある。僕がバスケットボールにこれだけの情熱を持っているのはニューヨーク出身だからだ。ずっと年上と戦ってきたからタフになり、恐れるものはなくなった」と熱い想いを語っていた。 近年は低迷が続き、2012-13シーズンを最後にプレイオフから遠ざかっているニックスだが、昨夏にウォーカーを獲得できていたら今季の結果(21勝45敗/カンファレンス12位)はまた違ったものになっていたかもしれない。