ワシントン・ウィザーズの八村塁は7月29日(日本時間30日)、フェニックス・サンズとのシーディングゲーム初戦を2日後に控えるなかで『Zoom』を通じての取材に応じた。 7月9日(同10日)からトレーニングを重ねてきたウィザーズは、22日(同23日)にデンバー・ナゲッツ、25日(同26日)にロサンゼルス・クリッパーズ、27日(同28日)にロサンゼルス・レイカーズとスクリメージ(練習試合)を実施。結果は3連敗だったものの、八村はジョン・ウォール、ブラッドリー・ビール、ダービス・ベルターンスら主力が不在のなかで、平均27.3分出場、17.3得点、7.3リバウンド、シュート成功率43.2%、3ポイント成功率40%という成績を残した。 NBAは新型コロナウイルスの影響で3月から試合開催がストップ。4カ月以上の中断期間を経て、フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド内にバブル(隔離地域)を設ける特殊な環境下で7月30日(同31日)からシーズンを再開させる。「2シーズン目をやっているように感じている」と話す八村は、自主隔離中の肉体強化の成果もあり、自分のプレイに手ごたえを感じているという。 「NBAのスペーシングにだんだん慣れてきたというところで、ビジョンが広がったと思います。僕の得意なボールプッシュをしていても、余裕を持って周りを見れるようになってきているし、シュートセレクションに関しても、どういうところで攻めてファウルをもらうのか成果が出ている。それが数字にも表れていると思います」 クリッパーズ戦ではリーグを代表するスーパースターのカワイ・レナードのマークにつき、レイカーズ戦では経験豊富なダニー・グリーンやJR・スミスの守備をかいくぐりながら、チームトップの19得点を叩き出した。スコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)は「MVPクラスの簡単じゃない選手を相手にしている」と八村の成長を評価しているが、本人もそういったマッチアップが大きな糧になっていると話す。 「リーグでずっと活躍してきた選手たちをこの3試合ガードしてきて思うのは、体の使い方が上手くて、どういうところでファウルをもらうかを含めてシュートセレクションも完璧。テレビで見ているのと実際にやるのは違うので、いろいろと学んでいます。もっとアグレッシブにトランジションに行けと言われていますし、体が強くなって、ドライブしてからのパスも、そのままゴールにアタックすることもできると思っています」 イースタン・カンファレンス8位のオーランド・マジックと5.5ゲーム差の9位(24勝40敗)でシーズン再開に臨むウィザーズがプレイオフに進出するには、シーディングゲーム8試合を終えた時点で8位と4ゲーム差以内につけ、なおかつ8位との直接対決で2連勝しなければならない。7月31日(同8月1日)のサンズ戦をはじめ、負けられない戦いが続く状況にも、八村はしっかりと前だけを見据えている。 「僕らは若いチームですけど調子は良くて、特にディフェンスでは上手くプレイできている。クリッパーズ戦は良いゲームでした。この(スクリメージ)3試合を戦ったことが、金曜日(31日)の試合に生かされるんじゃないかなと思うので、すごく楽しみです。サンズ戦はオフェンスからディフェンスの切り替えでしっかり戻ること。プレイオフに行くチャンスはあるし、ディフェンスが鍵になると思います」 攻撃の軸を担う八村がプレイオフ出場を懸けた戦いでどんなプレイを見せるのか、注目度はいっそう高まる。